愛されたいのは

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とりあえず営業メール的な…いつもありがとうございますって事書こうかな。

それなら当たり障りない感じだし。


A夜分遅くにすみません。
今日もお店に来てくださって
ありがとうございました。
またお待ちしてます。


なんか…キャバ嬢みたいな感じだなw

送ってしまってから言うのもなんだけど。

返事…くるかなぁ

もう寝てるかな、太輔さん。

画面開きっ放しだったら即既読ついて、なんかめちゃくちゃ待ってました感強いから、とりあえず閉じよう。






胸元でスマホを握りしめ、ちょっと返信を待ってみた。

すると急に鳴り出したのは電話のコール音。

こんな時間に誰だろうと思いつつ画面を見ると、北山さんだった。

え、しかもなんでテレビ電話になってるの？？

とりあえずベッドから起き上がって電話に出ると、ドアップの北山さんの顔が写った。


「うわっ、近っ！」

「うぃーっす、おつかれー」


ってなんだか少し陽気で目がとろんとしてる北山さん。


「あの…酔ってます？」

「酔ってないよー。ちょっとみやっちと飲んでたけど」

いやいや、みやっち呼ばわりする時点で酔ってるでしょ。

でもこんなに酔ってる北山さんも珍しいかも。

かわいさ2割増しになってる。


「あのさー、愛しの藤ヶ谷さんに連絡した？」

「一応…名刺頂いたししないと失礼かなと思って」

「"愛しの"は否定せんのかい」

すると北山さんは急にうつ伏せになり、顔が見えなくなった。

「何やってんだよ、お前よー。向こうの思うツボじゃん。だいたいさーー」


完全にいつもの北山さんじゃなくなってる。

私は初めて見るその姿にかなり驚きを隠せない。

あんなにしっかりした北山さんでもこんな風になるんだって、新たな一面を発見した気分。





「あー！何やってんだよ、きたやん！」

という声と共に画面が揺らぎ、少し赤い顔の俊くんが写った。

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