愛されたいのは

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そして今日もたいすけさんがお店にやって来た。

なんだかここんとこ来る頻度が高くなってる気がするけど、あの素敵な笑顔を見れるのは眼福。

いつものようにランチを食べ終わったら、コーヒーと読書。

今日も違う本を読んでいた。

たいすけさんはいっぱい本を買っているのかな、それとも図書館で借りてるのかな。

買ってたら部屋が本で埋め尽くされちゃうよね。

あ、それとも読み終わったら売るのかな。

なんて、仕事をしながら、余計なお世話な妄想を繰り広げていた私。





たいすけさんが伝票を手にしたので、私もレジへ入りお会計をした。

「ありがとうございます」

「ご馳走様。美味しかったです」

と微笑みながら言われて、それだけで疲れが吹っ飛びそう。

「お休みっていつ？」

と、突然たいすけさんに聞かれたので、私はてっきり店休日の事かと思い、

「月曜日が店休日です！」

と答えたんだけど、たいすけさんはフッと吹き出して、

「いや、俺はAちゃんのお休みの日を聞いたんだけど」




うえええっ！

たいすけさん、なんで私の休みなんか知りたいんですかっ！！

「え、ええっ！？あのっ、お店と一緒の月曜日です！」

「いや、慌てすぎだから」

ってはははって笑うその顔が、たまにいたずらっ子みたいにかわいく見える。

するとスーツの胸ポケットから名刺入れを取り出し、その中の1枚を抜き、カウンターで何かを書いていた。

書き終わるとそれを私に差し出した。

「よかったら、連絡下さい」

私はちょっと今のこの状況についていってないんだけど、ひとまずその名刺を両手で受け取った。

「じゃあね、Aちゃん」




たいすけさんがお店を出た後も、ちょっとの間フリーズしてしまっていた私。

その背後から北山さんがこっそりやってきて、私の手から名刺を奪った。

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