バケモノの本当の居場所 ページ18
(中村 side.)
2016年11月
東大に入学して1年半。
私は声優活動が順調ながら本当に忙しくて、大学の勉強にも、クイズにも専念できずにいた。
そんな日々を送る中で、2週間前、久しぶりの1日オフができた。
その日、私は、入ってはいたもののほとんど顔を出せずにいた、東大のクイズ研究会に行ってみることにした。
『失礼しま〜す…』
川「ん、A？久しぶり。仕事は大丈夫なの？」
部屋に入ってすぐ、川上くんと出会った。
数年見ないうちに、随分とお洒落になっちゃって。
『うん、今日だけね！ほぼほぼ幽霊部員みたいなもんだったから、休みの日くらいはね笑』
こ「あれ、Aさんじゃないですか！」
『お！こうちゃ〜ん！』
こうちゃんは法学部の後輩で結構仲良し。
そっか、こうちゃんもクイ研入ってるんだっけ。
こ「え、Aさんってクイ研なんですか！？」
『実はそうなんだよ〜。最近仕事が結構パンパンでね、全然来れてなかったんだ』
こ「そうなんですね！わー、早くAさんの早押し姿見てみたいな〜！」
川「言っとくけどこうちゃん、Aは知識バケモノ級やからね笑」
『技術はまだまだですよ〜』
川「じゃあ、そろそろ始めよか」
その日、私は時間も忘れてクイズに没頭した。
本当に楽しかった。
帰り道。
『あー、クイズ楽しかったなぁ〜！』
ずっと、あの時間が続いて欲しいと思った。
『やっぱり、クイズ好きだなぁ…』
ふと、14年前のあの言葉が頭をよぎった。
__Aちゃんは将来、何になりたいですか？__
私は将来、何になりたいんだろう。
何が出来るんだろう。
これからも私は、声優を全うしなければならない。
それは十分わかっていたつもりだった。
でも、私は、クイズに熱中する今日の自分が、いちばん輝いているように思えた。
私は今、本当は何がしたいの？
急に今の自分に謎の不安を憶え、視界が歪んだ。
『…な、んで…っ』
駄目だ、泣いちゃ駄目。
どうしたの、私。
『……っ、…』
思考とは裏腹に、涙はどんどん落ちていて。
通りすがりの人たちから疑念の目を向けられる。
何してるの私。
泣き止んでよ、ねぇ。
『っ……、ひっく…』
なんで止まらないの。
なんで、なんで？
誰か、だれか…。
『…わ…！？』
その時、後ろから右手が伸びてきて、私の両目を覆った。
その右手が誰のものなのか、直ぐに分かった。
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亜露夢 - コメント失礼します！続編読みたいです。ランなさんのお話大好きです！これからもご自身のペースで頑張って下さい！(生徒会副会長と吹奏楽部副部長…尊敬します。そちらも頑張って下さい！) (2020年7月5日 18時) (
レス) id: ec857bc14c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 少し前に紹介されてたけど、出てくるタイミングを失っていたランなのリア友です。私も続編を読みたいな。こんなふうに、たまにコメント欄に出てくるので皆さんよろしくお願いします！ (2020年7月2日 23時) (レス) id: dc74e3fb2c (このIDを非表示/違反報告)
月の狼 - とても好きなので、続きお願いしますm(__)m (2020年7月2日 21時) (レス) id: 8520cb345b (このIDを非表示/違反報告)
ここあ。(プロフ) - 読みたい！です！主様のお話好きなので！ (2020年7月2日 20時) (レス) id: 2eecf27a1d (このIDを非表示/違反報告)
りゅかるぅ - コメント失礼します。このお話が大好きで、毎度楽しんで読ませてもらっています。続編はぜひ書いてもらいたいです！応援してます！ (2020年7月2日 6時) (レス) id: 980203a542 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランな | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月16日 21時
