２５時、夜食をまふゆさんの為に。［朝比奈まふゆ］

１１品目 上 ［お子様ランチ］［月兎。さんリクエスト］ ページ15

まふゆ視点

料理作るとは言ったけど…何作るか思いつかないな。

…ん？向こうから…日野森さん？

何の用だろう？

「あら、朝比奈さん。」

「久しぶりですね。日野森さん。」

「どうしたんですか？そんな大きなお弁当箱を持って？」

「えっ、ああ…しぃちゃん…あっ…妹に渡そうと思ったんだけど…断られちゃってぇ…」

と風呂敷を広げながら豪華なお弁当を見せてくれた。

豪華な重箱に入っているのは良いものの、中身は完全に幼稚園児のお弁当。

タコさんウインナー…スマイルの顔のポテト、キャラクター柄のかまぼこ…etc

ふざけてるのかってレベルの具材ではあった。

「あっ、私一人じゃ食べきれないから…朝比奈さんもどう？ちょっと食べてくれない？」

「えっ…え？あ、良いですよ。食べます。」

と、もらった割り箸で適当に掴む。

食品はほぼインスタントのようだが…

お母さんが出すご飯と何が違うのだろうと思いながら味を感じる気も無く口に含んだ。

しかし、私の口に染み渡ったのは

程よい甘さと絶妙な辛さのエビチリや

ムカつく顔をしているスマイルポテトや

私でも作れそうなほうれん草のお浸しや…

全て簡単に作れそうな食品で…

ただの冷凍食品なのに…

なぜこんなに美味しいんだろう？

「ごめんなさいねぇ…冷凍食品だらけで…。あっ、でも、私のしぃちゃんへの愛情は沢山よ！」

……その妹への愛情がこんなにも美味しくさせているのか…？

愛情があれば冷凍食品でさえもこんなに美味しく…？

「いえ。美味しかったです。…では、私はここで。」

「ありがとうね〜食べるの手伝ってくれて」

やっぱりこの美味しさは愛情…？愛情を込める…

そんなの…愛情も分からないのにどうしたら…

…瑞希がミクにリボンを結いでいる時のように？

…絵名がキャンバスに絵を描いている時のように？

…奏が曲を作っている時のように？






………"愛情を込める"って何？


「あの…日野森さん…」

「ん？」

「愛情を料理に込めるって…どうやるんですか？」

「うーん、こう、食べてくれる人の喜ぶ顔を想像して…伝わりにくいわね…

そうだ。今度一緒に作ってみない？今日でもいいわよ？」

「今日、今日！お願いします！」

「じゃあ私の家にいらっしゃい〜一緒に作りましょう？」

「はい、お願いします！」



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月兎。様、最初の方にリクエスト頂いていましたのに遅くなり申し訳ありません！
下も楽しんで下さい！

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