【文スト】魔法使い様は＊＊なようです【男主】

魔法使い様が嫌いな理由 ページ3

何か大変都合が悪いことを話す気配を察知したので、お金を払って静かに潤くんと探偵社に戻る。


「……はぁ、まさかクールだと思ってた兄さんが最初からあんなのだったなんて…嘘でしょ……」


「アハハ…ご愁傷さまです……。そういえば、なンで中本さんは日向さんが嫌いなンですか？」


不思議そうに問われ、固まってしまう。

……潤くん達は仲が良いから分かんないのかな…


「24時間365日盗撮＆盗聴されるし、魔法で隠してた住所がバレたら即大量のぬいぐるみと服を送ってくるし、あと嫌がらせしてくるし。」


するすると嫌いな所が出てくる。

彼奴の好きな所を一個出すより嫌いな所を百個程云う方が時間がかからないと思う。


「嫌がらせ、ですか？」


「そうなんだよ〜。
人の前で僕の黒歴史を暴露する。
嫌いなピーマンを一週間に一度は送ってくる。
あと…探偵社に入ることと、福沢さん達と暮らすことを最後まで反対されたりしたなぁ。」


探偵社に入ることを反対されたのが、一番嫌だった。

僕だって、そんなに弱くないのにできないと云われている気がして。


「それは…その、ピーマンは栄養価が高いですし…少し物騒な会社に入るのが心配で反対していたンじゃ……ていうか中本さん社長と暮らしてたんですね！？」


「ちょこっとね。家に帰りたくなくて」


夜は従者がそれぞれの家に帰って、独りぼっちの屋敷は寂しかったし、何より乱くん達の暖かさを知ってしまっていたから。

声に出さず、改めて乱くんと福沢さんの事を思う。



彼らが居なければ、きっと僕は今頃死んでしまっていたからね。


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