魔法少女も恋してる。 (ページ10)

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10.魔法少女に心酔。ページ10

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『似てるも何も、俺が平野紫耀なんです！』

「…そんなわけある？」

『そんなわけあります』

「だってここわたしのいえ…」

『え？もうさっきまでの記憶無いんですか？笑』

「だって！ひらのしょおがいるわけ…！」

だってだって、と子どもみたいに騒いで、
俺が平野紫耀であることを全く信じてくれないAさん。

仕方ないからスマホを取り出し、
写真フォルダを開いて、
適当にひとつタップする。

それをAさんの顔の前に突き出すと、

「…みたことある、そのしゃしん」

『え？』

「やっぱりにせものじゃん！」

と、突き返された。

マジかよ？

俺、こんな写真どこで紹介したんだ…？

自分でも覚えてないのに…、

『じゃあこれは？』

「しってる」

『…これ！』

「しってる」

『なんで…？』

Aさんは、全部覚えてる。

そんなこんなで一生懸命フォルダを漁っているうちに、
俺の下から器用に抜け出していたAさん。

いつの間にかソファーの端の方にちょこんと座って、
スマホかせ、とこちらに手を差し出している。

俺も諦めてその隣に座り、
言われた通りAさんにスマホを手渡した。

「ん！これかわいい！」

『かっこいいって言ってください！』

「ねぇ！これほしい！」

『…LINE交換します？いくらでも送りますよ？笑』

「え？いいの…？」

ずいぶん酔っているせいか、
あっさり連絡先までゲットできて、

もうその頃には、
さっきまでの興奮は止んで、
少し冷静になっていた。

また明日には忘れられてんのかな。

そんなことも考えたけど、
もう連絡取れるんだし、
全部思い出させればいい。

『はいこれさっきの写真、あとのはおまけ』

「わーい！ありがとぉ！」

『…あ、それと、今から送る文章は、明日の朝にでも読んでくださいね？』

「んー？わかった！」

そのままキスもできず、
本当に何にもせず、
俺は大人しくAさんの家を後にした。

明日がオフだったら、
もう少し居てもいい？とか、
なんなら泊まってもいい？とか言って、
もっと甘えられたのになぁ。

そんなことを考えて歩く帰り道は
なんだか寂しくも感じたけど、
それよりも先ずは、幸せだった。

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主人公ちゃんは短期間で
めっちゃ詳しくなるタイプのオタクです。笑

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