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どうしようもなく ページ23

≪風柱 不死川 実弥 視点≫


『不死川さん、今日は夕刻から天気が荒れます。
早めに帰ってきてくださいね』



あいつが今朝言ったから早く帰ってきたのに



「早すぎたか?」



まだ帰ってきてないAのために夕餉を作る

途中、激しい雨音が聞こえるが、それでも帰ってこない


風呂に湯を沸かし、傘を二本持って屋敷を出る






誰もいない通りの軒先でしゃがみこんでるAを見つけた



Aに近寄ると小さくふるえている



「実弥さん」




久しぶりに名前を呼ばれた




「実弥さん」



笑みがこぼれる
こんな雨の中、名前で呼ぶ練習でもしてんのかよ


ほんと、かわいいな



「おい、大丈夫か」



「!」



俺がいるのか信じられないのかAは口をぱくぱく動かしてる



「A」



雨に濡れて寒さにふるえるAに着ていた羽織をかける



「え、え?不死川さんっ!」



そのまま抱きしめ



「傘持ってろ」



持っていた傘を二本ともAに持たせて急いで帰る

Aの体は冷えきっていた



「不死川さん」




屋敷に着いたがAを抱えたまま廊下を歩き風呂場へと向かう



「え、え?不死川さん?」




お互い服を着たまま熱い湯に入る
勢いよく入ったからか飛沫が上がる

Aはその滴一つ一つを食い入るように見ていた





「大丈夫か?」


「え、」


「体、暖まったか?」


「え、…はい。暖かい、です」


「そうか」




よかった
確かに頬もほんのり赤くなってる




俺の腕の中にいるAをもう一度強く抱き締める

ずいぶん長く抱き締めた気がする


服を着てるとはいえ、この状況はやべぇ…



でもAが傍にいることが幸せで嬉しくて
どうしようもなく好きなんだ



大切なんだ

自分よりも誰よりもこいつが大切で守ってやりたい




A





「今度は俺が待っててやる」




お前の記憶が戻るまで、
何年、何十年かかってもずっと待ってる

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作者名:りん | 作成日時:2019年11月19日 22時

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