誕生日プレゼント（緑）2 (ページ6)

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Aは一言も話さんと俺の事見ることもなく階段に向かった

俺も慌ててあとを追う

二階のドア閉めて鍵も閉めたら

こっち向いて立っとったAの事抱きしめる

Aは俺の背中に手を回すことなく

俺のシャツの胸元をキュッと掴んできて顔を埋めた

｢A？｣

｢顔あげて？｣

｢顔見たい...｣

そう優しく声をかけるけど首をふるばっかりで顔上げてくれん

腕回してくれた時より

少しだけ離れた二人の距離が

Aの温もりの届かん距離が

何かすごく苦して

｢お願い｣

｢顔見せて？｣

｢A？｣

って頭撫でながら優しく言う

けどAはなんも言うてくれへんし

顔も上げてくれん

｢A？｣

もう一回不安で震える声で名前を呼んだら

俺の腕の中のAがずるりと落ちていきかける

慌てて抱きとめたら

貧血？

青い顔して意識を飛ばしとるA

｢A?!｣

｢A?!どうした？大丈夫か？｣

俺が声掛けたらうっすら目を開けて

｢...ごめん...ね...｣

｢...貧血...｣

そう呟いた

俺は意識を戻してくれたことにとりあえずホッとして

Aのこと抱き上げてベッドへと運ぶ