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両手でスマホを握りしめ目立たないように植え込みの陰で小さく屈んで裕ちんの到着を待つ
震える指で操作したスマホで履歴のタクシー会社の下に裕ちんの名前を見つけた瞬間その名前をタップしていた
迷惑かけることはダメだって分かってた
絶対に断る事なんてない裕ちんだから
だからこそ直ぐに切らないとダメだって分かってた
やのに
俺の今を見てたかのようにすぐに裕ちんの優しい声が聞こえてきて
俺は
ずるい俺は
裕ちんにすがってしまった
表の道路に車が止まる音がして直ぐにバタバタと誰かが走ってくる足音がした
「まる？」
小さな声で俺の名前が呼ばれた
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作者名：UTA
| 作成日時：2021年5月16日 15時
