耳元で歌わせて (赤) 7

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Aちゃんは左耳を俺の太腿につける形で寝とるし

ちょっとくらい話しても起きへんかなと思て



｢迷惑かけてごめんな｣

｢デートの時間大丈夫なん?｣



って俺が聞いたら



｢こんな状態のAちゃん置いてきたんが琴音にバレたら逆に殺されるわ｣



ってヨコが何て事ないように言うてくれて


ヒナも



｢車取りに帰る電車ん中で智衣にLINEで琴音ちゃんにも言うといてって送っといたし大丈夫や｣



って



｢ごめん｣

｢ほんま助かった｣

｢一人やったらどぉしたらええか分からへんかったわ｣



って前を向いとる二人には分からへんけど頭を下げる




｢気にすんな｣



ってヒナが言うてくれて

そのヒナの言葉に被すように



｢お前やって同じことするわ｣

｢そんなもんや｣



ヨコが優しく俺に言うてきかすかのように言うてくれた



｢なぁすばる...｣

｢...Aちゃんてこないなことよぉあんのか？｣



ヒナが躊躇いがちに

けど

はっきりと聞いてきた


視線は前の車のテールランプを見つめたまんま


ヨコも何にも口を挟まへん

けど気にはなってんねんやろな

ヒナを止める事もない



｢...よぉ...ではない...けど｣


｢俺が見たんは二回目...｣

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