耳元で歌わせて (赤) 7

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何も悪ないAちゃんの口からから

絞り出すように｢ごめん｣が出てきて

それと一緒に

Aちゃんの目からポロポロ涙が零れた



｢Aちゃん？｣

｢こっち向いて？｣



そう優しい声かけても

Aちゃんは俯いてもて鏡越しにも目が合わへん


そんな大袈裟なことや無い

俺が勝手に期待して肩透かしくろただけ

その事に別に怒ってるわけでもない

ちょっとしたイタズラやねん


けど...

Aちゃんにしたら...

...そやんな...


Aちゃんから離れて



｢ごめん！｣

｢ほんまにごめん！｣



目いっぱい頭下げて謝る



｢Aちゃんが謝る事なんて何もあらへん｣

｢俺のイタズラやねん｣



頭下げたまんま謝り続ける



｢...イタズラ...｣



聞こえるか聞こえんへんかの声でAちゃんがそう呟く



｢やから覚えてないんとちごてほんまに何もないねん｣



俺が謝ってもAちゃんは黙ったまんま

どんな顔しとる？


ゆっくり顔を上げようとしたら



｢あほっ！｣

｢すばるくんのあほっ！｣



ってAちゃんが俺の肩を押してきた

俺はその勢いに押されてベッドに尻もちをつく


怒って当たり前やんな...って

そう思いながら見上げたAちゃんは


言葉や口調とは裏腹に

涙で濡れた頬のまんま

いっつもみたいにふんわり笑てくれて



｢ほんまに何にも覚えてへんくて｣

｢酔うてたし何か変なことしたんちゃうかって...｣


｢良かった...｣



そのまんまへなへなと床に座り込んでもた

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