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Aはなんにも言わへんし

やっぱあかんかぁ

そお思て諦めようとした瞬間



「ビール一缶でゆっくり話すのはは無理かなぁ」



って笑ってくれた



「そやな」

「Aは何飲む?」



思わず名前で呼んで立ち上がった俺に「えっ?!」って小さな声をあげたけど

結局はスルーして



「何があるの?」



って聞いてキッチンまでついてきた


二人して酒をしもてる棚を覗き込んで

Aは「どれにする?」って俺の問いかけに

一番奥に置いてあったいっちゃん高てレアな酒を手に取ると

いたずらっ子みたいに「これにしよう」ってにんまりわろて俺を見た



「お前っ」

「それって」

「なんでもあらへん日に開けるようなんとちゃうやつやん」



って言うだけど



「まぁええか・・・」



『・・・今日は特別な日やもんな・・・』って言葉をのみこんで言うたら



「じゅうぶん・・・じゅうぶん特別な日・・・だと思うけど?」



って小さく呟いたAの顔は真っ赤で

そんな姿を見たら



「そやな」

「特別な日やわ」



って言うて新しいグラス取り出して後につづいたら

ダイニングテーブルとこでAが



「しんちゃん真っ赤っか」



ってくすくす笑う


そんな姿を見て今の俺って幸せやん

なんて事思いながらAの前に座った

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作者名:UTA | 作成日時:2021年1月24日 22時

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