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首に回った手に力が入る
急かしたりせんとゆっくりゆっくり背中をさする
「・・・ごめん・・・なさい・・・」
消えてまいそうな弱々しい声
「・・・・・・」
俺が何て返してええか分からんとおったら
「・・・もぉ日付けかわったやんな・・・?」
「誕生日・・・お祝いしてへん・・・」
謝らんなんのは帰って来おへんかった俺の方やのに
Aがほんまに申し訳なさそうに俺に謝る
どっちか言わんでも
泣き虫なとこはあるけどちょっと勝気なAが
めっちゃ弱気で
今にも消えてまいそうな気がして
もっかい抱きしめとる腕に力を込める
「・・・お祝いしてくれるん?」
「まだ日付け変わってへんで?」
俺がそう言うたらAの腕が緩んだ
コンタクト外してもぉてるAはきっと壁の時計なんて見えてへんのやろ
「ほんま?まにおうたん?」
そう言うてふわっと笑ろたら
ゆっくりした動作で俺から離れてベッドからおりて立ち上がる
ふらふらと歩くAを慌てて支えて一緒にリビングに向かう
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すう(プロフ) - 泣きました。私もあのグローブに目が留まったから。そして少し寂しくなったから。五人と一人と一人をあの頃と同じように好きです。 (2020年12月31日 17時) (レス) id: 0e5565d901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:UTA | 作成日時:2019年2月14日 0時