みかん色の思い (ページ5)

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あいつんちのマンションの入口んとこで車を停めて

「明日はこちらにお迎えでよろしいか」

ってマネが後部座席の俺を振り返って聞く

「うん」「そぉして」

って手短に答えて車を降りる

車が出るより先にドアをくぐってエントランスに入る

いつの間にか通い慣れた部屋

入口でロック解除して部屋の前まで

けど部屋はあいつに招き入れて欲しくてドアんとこのインターホンを押す

インターホンからは何の応答もあらへんかったけど

直ぐにドアが開いて「おかえりなさい」って笑顔のあいつが迎えてくれた

いつの間にか俺の挨拶も「お邪魔します」から「ただいま」に変わってて

そのやり取りがむず痒くも嬉しい

エプロン姿のあいつを直ぐにでもハグしてチューもしたいけど

お互い体調崩すわけには行かへんから持ってきた荷物をあいつに渡して洗面所へ向かう

きっちり手洗いとうがい済ませたらキッチンにおるあいつんとこ行って

後ろからやっとこの腕の中に抱きしめた

擽ったそうに首をすくめる仕草も可愛くて

耳のすぐ下の首にチュッと小さくキスをする

一瞬で赤くなった耳に口を寄せて

「こっち向き？」

って囁いたら

恥ずかしそうに目を伏せて口をきゅっと結んで振り返った