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Aはもぉ席に着いてとって



「よぉ寝とったわ」

「頭撫でても起きひんかった」



そう言いながら

Aの対面

いつもの俺の席に着くと目の前にはサーモタンブラーに焼酎

タンブラーからは湯気があがっとる



「ロック言うたんやけど」


俺がそう言うたら



「声が疲れてる」

「冷たいものじゃなくて体の中から温めて緩めてあげないと」



Aがそう言うて自分のタンブラーを俺の方に掲げてきた

ちょっと疲れとる自覚はあったから黙って俺もタンブラー掲げる


「お誕生日おめでとう」


そう静かに笑ってからAはタンブラーに口をつけた



「おおきに」



そう答えて俺もタンブラーに口をつける


俺の体を思て作ってくれたんやろ

いくつもの惣菜を少しずつつまみながら

少し薄めの焼酎を飲む


最近の様子を聞きながら焼酎おかわりして

俺の仕事ん事もちょっとだけ話して



「・・・あれからもぉ三年経つねんな・・・」



俺がそう呟いたら



「そうだね」



って何て事あらへんようにAが笑うから

俺は言葉が続かへんようになってもて

けどAから視線逸らす事も出来んと

黙ったまんまで焼酎をあおる


Aはしゃあないなぁって感じで

慈愛に満ちた?っちゅうの?

そんな穏やかな表情で俺を見つめた

俺はそんなAに返えす笑顔なんて持ち合わせてへんから

俯いてたいして欲しくもない魚の干物をつっつく



「二年前」



静かなAの声に視線を上げる



「二年前の誕生日が一番辛そうだった」



それだけ言って立ち上がるとキッチンに向かった



「二年前・・・かぁ・・・」



そう呟いて天井を仰ぐ

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作者名:UTA | 作成日時:2020年1月27日 18時

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