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ホテルの最上階のバーをバタバタと駆け出す傍迷惑な私だったけれどそんな事にさえ構っていられないほど慌てていた
ホールボタンを連打してなかなか来ないエレベーターの扉の前で息を整えて
やっと来たエレベーターに乗り込んで階数ボタンを押すと私の気持ちとは裏腹にゆっくりと扉が閉まって行く
細く狭くなった扉の隙間からあの香りがした気がした
エレベーターを降りて廊下を音をたてないように気をつけながらも小走りで部屋に向かう
部屋に入ってバッグから長財布を取り出した
バーに戻ろうと視線をあげた先に
夜景を売りにしたホテルのカーテンの開いた窓がまるで鏡のように私の姿を映していて
それが吐き気がする程女に見えて慌ててカーテンを閉めたくなった
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月26日 14時
