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少し浮かしかけていた体をまたソファーに沈める。
最近の自分の気持ちが不安定なことは自覚済みやけど、さらに上行く自分でも掴みきれへん思いにどうしたらええんか分からへん。
俺は彼女とどうしたいんやろ?
グループにとってこの大事な時に俺がコケたら俺だけではすまへん。
おんなじようで全く違う世界に踏み出す彼を、やっと、ほんまにやっと、理解は出来ひんまんまやけどそれでも認めようと皆が自分らに言い聞かせたとこやんけ。
まだまだ誰にも言われへんけど、それでも後から思えばそおやってんなって思わせるだけの事をしてきたやんけ。
それを俺の一瞬の思いでめちゃくちゃにするわけにはいかへん。
そう自分に言い聞かせるように、彼女の事を思考から追い出そうとまた大きく深呼吸を繰り返す。
そんな中、部屋にチャイムの音が鳴った。
恐る恐るとドアに近づくと、ドア越しに「お客様、クリーニングが仕上がりました。」「受け取りが難しい様でしたらドアノブに下げさせていただきます。」と、ちょっとくぐもった落ち着いた小さな声が聞こえた。
「ありがとうございます。そうしていただけると助かります。」
ホテルの人が声かけてくれてはるんやから他に人はおらへんのやろけど、つられて俺も小声で返事を返すと「それでは失礼いたします。」と返ってきた。
ゆっくり30数えてドア細めに開ける。
手だけ外に出してドアノブに掛けられた袋を取って部屋に入れる。
綺麗に染みを落とされプレスされたパンツと、封筒に部屋番号の書かれた領収書とおつりが入っていた。
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作者名:UTA | 作成日時:2019年11月26日 14時