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その後は、良きバイト仲間、可愛い後輩のポジションにいられるように恋心を頑張って押さえ込んで過ごした。
あの人が見たいって言った映画を、本当はこれっぽっちも興味無いくせに「私もスゴく見たかったんです。」って一緒に見に行く約束をした。
雑誌や原作読んで一生懸命予習して行ったのに、全然面白くなくて途中で寝てしまって話の半分も分からなかった初デート。
映画が終わって「めっちゃ面白かった。」って笑うあの人に曖昧な笑顔を返して。少し前を歩くあの人のスニーカーの踵を見つめながら後に続く。
寝てたのバレて無いのかな？
映画の話題振られたらどうしよう･･･正直に言った方がいいのかな？と、ぐるぐるしてたいたらあの人の足が止まった。
それを見てゆっくり視線を上げると、振り返って「次は自分の見たいやつ見に来よ。」ってフライヤーを指さしてくれた。
固まる私に「次のデートの約束やねんけど、あかん？」って、真っ赤になって言うあの人の手に握られたフライヤーがくしゃくしゃになるほど力が入っていた。
私の片想いが伝えても良い思いに変わった瞬間だった。
「嬉しいです。でもこの映画じゃないかな･･･」って彼の手から受け取ったフライヤーは、今でも私の部屋にある。
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月26日 14時
