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その時寝ていると思ってヤスくんに触れていた手を突然掴まれた
声も出せずに固まる私をぱっちりと開けた綺麗な目で真っ直ぐに見てヤスくんは
「好きなんはヒゲのない俺の顔だけ?」と言って
何も答えれずにいる私を見て手を離すことなくゆっくりと体を起こすから
私は慌てて握られた手を引いてヤスくんを起こすのを手伝おうとする

けれど私の手は余計に強く握られてヤスくんは自分の力だけで起き上がった

「俺のことは好きやないん?」

もう片方の手も取られて真っ直ぐに強い目で私の目を見つめてそう言われた

「何・・・言ってるの・・・?」私は目をそらすこともできずにやっとの思いでその言葉を口にする
その言葉を聞いたヤスくんの目が急に弱々しく揺れて
そしてそらされた

きゅっと唇をかみしめてからゆっくりと視線が私のところに戻ってきたけれど止まること無く繋いでいる手の方に移った

そして大きく一つ息を吐いてから
「俺・・・俺・・・な」
「良性や言うても頭に悪魔がおったこともあるしちゃんと取ってもろたけどいつソイツが戻って来るかも分からへん」
「それにグループとしても今が正念場やねん」「ちょっとした失敗も許されへん」

「分かってるよ」「分かってんねん」
「自分でも何言うてんねんって思ってる」

〜終〜→←16



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作者名:UTA | 作成日時:2019年9月11日 14時

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