検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:32,333 hit

16 ページ16

シャンプーを終えてベッドに移動してホットタオルで首のマッサージを始めてもヤスくんは黙って目を閉じていた
カチカチの首を終えて
次に顔にホットタオルを乗せて
固く固まった頬の筋肉のマッサージを続けるうちにピィピィと規則正しい息がきこえてきて
マッサージが終わってもその規則正しい息は続いていた

次に仕事や予定がある時はいつも何時にはここを出ないといけないって事を伝えてくれるから
今日は何も言わなかったということは
時間に縛られた予定は無いって事だと思って店の照明をおとして
横になった体にふわっとブランケットをかける

使った道具を音をたてないように気をつけながら片付けて
全てを終わらせてもまだピクリとも動かないヤスくん
よっぽどお疲れなんだなぁと思いながらベッドの横に椅子を持ってきてレジの棚から出してきたプレゼントを膝に置いて座る

いつものように綺麗に整えられた眉毛とキチンと切られた爪
でも隠しようのないくらいの隈
眠る時間もないくらい忙しかったのかな?それとも寝れなかったのかな?
スースーと聞こえる息を聞きながらヤスくんの顔を見つめていたら涙が出てきた

どうかもうこれ以上辛い思いをさせないでください
どうかヤスくんが自分にもちゃんと優しくできるようになりますように
そう祈りながらヤスくんを抱きしめたい衝動と共にもう何年も押し殺してきた思いにまた蓋を重ねる

そっとおでこに張りついていた髪を横に流しながら
「髪のびたね」「でもこの髪型ならヒゲはない方が・・・」
「私は好きだな」って呟いた

17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
199人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:UTA | 作成日時:2019年9月11日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。