38話 ページ44
神威said
「って事があったんだ。少しは休ませてくれおじさん、もう疲れちったよ」
見ると、いつもより疲労している阿伏兎
…アイツってそんなに融通きかなくなるんだ。
変な感じ、まぁアイツは俺の面倒見なきゃいけない位にしか思ってないんだろうけど。
「良いよ阿伏兎」
すると急に嬉しそうに顔を上げる阿伏兎
「え!まじで言ってるゥ?!」
「うん、その代わりこの片付け終わったらね」
「言ったな?…おいお前ら!さっさっと片付けるぞォ!!」
「「おー!!」」
そうして団員達がどんどん片付け始める
背後に気配がする
「…神威は片付けしない訳?」
振り返るとまだ怒っているのか、少し眉間にシワを寄せているAが居た
「A。お前、俺の事心配してくれてたんだってね、阿伏兎から聞いたよ」
「な、何。…悪い?」
珍しく動揺している
「いや?でももう終わったのに、どうしてまだ怒ってるのさ」
Aは少し俯いて
「別に怒ってる訳じゃない、ただ…もう少し早く助けに行けれたら、って。もう過ぎた事だから仕方無いけどね」
驚いた、そこまで心配してくれていたなんて
俺的にはあの三日間なんて、全然大した事無かったのに
「お前、随分とこの餓鬼に執着してるみてェだな」
Aは驚いた様に高杉の方を見る
「私は別に…心配だから」
「此奴が死んだら何かあンのか」
「私は、神威に助けて貰ったんです。その恩人が死んでしまったら………もう止めましょう、この話は」
向こうの方を手伝って来ます。そう言い、Aは歩いて行く。
顔はよく見えなかったが、良い顔はしていなかっただろう。
「あの女、何かあるな」
「色々とね、またその内話すよ」
何を考えてるんだろうAは。だけどはっきりしている事がある、アイツが俺を死なせない様にしているのは、“ 好き ”何ていう好意なんかじゃ無い事だ。
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作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時