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苦労の記録152 ページ6

先ほどまでつまらなそうに会話を聞いていたくせに、突然乱入してきた彼は、なんだか。


「え、ええと、中原幹部に報告するまでに、他の班と事実検証をしたので、どこまでかは……。」


どうやら結構な人数に話が流れているらしい。

 太宰幹部の直轄部下と、FREEDOM OF BIRTSから流れてきた元敵幹部という肩書だけあって、高橋Aと志賀優哉はなにかと注目を集めやすい。
つまり、話のネタにされやすいのだ。


「手にあるのは柏木雪也の尋問資料?」

「はい。」

「ちょっと見せて。」


太宰が自分から必要のない尋問の資料を求めるとは。
中也は黙って太宰の様子を見た。


「……ふうん。尋問ってまだ終わってないよね。」

「はい。とはいえ、ほとんど情報は得たので、太宰幹部のお手を煩わせるほどでは……、」

「今から私も行く。柏木雪也を用意しておいて。」


幹部室に行く予定だったはずの太宰は、中也たちに背を向けて、尋問室という逆の方向へと歩く。


「あと私が尋問を終えたと首領に直接報告するまで、内容は伏せて。」

「え、ええっ?!」

「はあ?太宰お前、さっきは尋問の担当する気ないって言ってたじゃねえか。」



Aたちが柏木雪也を捕らえたと聞いた時も、そうと静かに返しただけのくせに。急になんだと太宰の背中に叫ぶ。



「気が変わった。」


振り返った太宰の表情は、なんだか……お世辞にも機嫌がいいとは呼べなくて。
お気に入りの玩具をとられた子供のようだった。






給湯室から出た中也は、その時の太宰を思い出して、居心地悪そうに呟いた。


「誤解だって思ってねえから自分で尋問するんだろ……。」


『太宰幹部なら、まあ……すぐに誤解って分かってくれたんでしょうね。』


 太宰のいつもの勘の良さに全幅の信頼を寄せてそう告げるAには、とても言える事実じゃなかった。中原中也は面倒な役回りになってしまうことが多い。
 

先述のとおり、尋問の供述はすべて雪也が面白がって行っている茶番なのだが、志賀とA以外気づける由もないのだ。太宰でさえも。

こうして最後の最後まで、知らぬ間にもAは雪也にふりまわされている。鈴蘭高校にいた際の、彼の茶目っ気あるチャラめな言動は、あながち演技ではなかったのだろう。


『橋本です。』
『Aちゃん、俺と文化祭回ろうよ!』


潜入は終わり、志賀と芥川、そして雪也もAも鈴蘭高校から名前が消える。

────青い夏の代名詞のような日々だった。

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黒灰白有無%(プロフ) - 創作伽羅が出て来るのは余り読まなかったのですが此の創作伽羅達2人と夢主は超好きです,物語も本当に好みのモノで大好きな作品です!!原作沿いの続きも楽しみにしてます!!気が向いたらで構いませんので更新仕手下さると嬉しいです!!是からもずっと応援しております (9月28日 4時) (レス) @page16 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして。凄く面白くて好きです!続き待ってます!!! (9月25日 4時) (レス) @page16 id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 一気に読んでしまいました!とても面白く、太宰さんが冷酷という設定は珍しくオリキャラも非常に好きです!先の展開が待ち遠しいです。これからも頑張ってください。勝手ながら応援してます! (9月10日 2時) (レス) @page16 id: 4386aff6fa (このIDを非表示/違反報告)
朱雨 - 大好きです。僕の文スト夢傑作集に新しく入るほどまっっじでおもろいです。どうやったらこの好きさを伝えられるか……更新待ってます! (7月14日 13時) (レス) id: c4ce57e384 (このIDを非表示/違反報告)
アオリンゴアメ - めっちゃ好きです!これからどんな展開になっていくのか楽しみで仕方がない…太宰さんがどう変わっていくのか気になりすぎてうずうずしてます笑更新待ってます!! (7月9日 11時) (レス) @page16 id: 276a6da939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2022年8月28日 5時

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