苦労の記録126 ページ26
お前がそれやった所でな、私は落ちないからな
いいか、落ちないからな!顔面偏差値の高いやつなら毎日隣に居るんだよ、もっと言えば囲まれてるくらいなんだよ!そんな事で今更ときめくと思ったか
私は顔にその心情の一切を出さず、後輩面を通す。もう意味無いって?知るか
まだ先輩は志賀と話しているが、この先輩ももう行かなきゃという時間らしい
それは好都合、私は切り出す
『先輩、行ったらどうですか?私も戻らなきゃですし』
にこやかな笑みを浮かべて柔らかに拒否の意を掲示する。これでもう諦めんだろ
「あれ、さっきの性格どこ行った?」
『知りません』
「明らかに今作ってるよね、ねえ」
『知りません』
「いやでも」
「雪也その辺にしとけ」
先輩におちょくられている私は所謂MK5(マジでキレる5秒前)だった。そんな私の雰囲気を察したのか、志賀が先輩を止める。有難う流石志賀、伊達にずっと一緒にいないね
でも矢張り先輩はまだ遊んでたいらしく、拗ねた顔付きになる
「俺もっとこの子と話したいー」
『名前も知らない相手とですか』
「そーじゃん、名前は?」
「あーもー、行くぞ雪也!」
いつまでも行く気の無い雪也を見て痺れを切らしたらしい志賀は、ダンボール箱を片手に持ち直して先輩を引っ張り出した
え、やだやだと駄々を捏ねる先輩が迚気色悪い
「ねえ、待って待って優哉、もう少し!」
「無理、行くぞ」
「なんで!」
「そろそろ代わりに仕事してる芥川がキレる」
「え怖…じゃあ行く…あ、ねえ!名前は?」
『…橋本です』
「そうじゃない、下!下の!」
『…橋本です』
「嘘つけぇ!!」
ねえええ、名前くらい教えてよぉお、と叫びながら志賀に引き摺られて行く先輩。この時ばかりは志賀に感謝をした。笑みを浮かべ、遠くなる先輩に手を振る
まあ、もう会わない事を願おう
そう願い、仕事に戻るべく踵を返した
あの先輩、思ったより結構ウザかったな
*
「そういえば、雪也と面識あったんです?」
仕事場で突然ばったり会った時に、そういえば、という言葉でその話題を始めるのは少し可笑しいと思うんだけど。
全然そういえばじゃない、むしろ、ここで会ったが百年目、という言葉が最初に付きそうである
『面識って程でもない、というか私が聞きたい。あの先輩、なに』
「質問を返してくるスタイル嫌いじゃないです」
『いいから答えろ』
「…何、って言われましても…。普通の生徒ですよ、人気者らしいですね〜」
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メガネ第2号(プロフ) - かえる。さん» 返信激遅でごめんなさい、更新しました!コメント励みになります、遅筆ですがぜひ最後までお付き合い下さい。 (2022年8月28日 6時) (レス) id: 652442107f (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - やったー!更新してる!(≧▽≦) (2022年5月24日 21時) (レス) @page46 id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 望務さん» ひい!!嬉しいです。文章少し長くなったりしてうざったいかもしれませんが頑張って書きます!ありがとうございます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 紺さん» 前々から読んでいてくれていたんですね!出戻り嬉しいです、本当にありがとうございます!コメント励みになります、頑張りますね! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 小夜子さん» 返信遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございます、他の作品も読んでくれているようで凄く嬉しいです!文スト4期公開楽しみに頑張ります! (2022年5月24日 20時) (レス) @page46 id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2018年7月3日 4時