第二十五舞『黒き精鋭』 ページ25
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突如起こった揺れ、爆発。
比較的小さな爆発で済んだが、アイザックは爆発の起きた方向を一点に見詰めた。
爆発に気を取られたアイザックを良い事に、黒髪の青年の従者であろう男二人が、太宰に拳銃を構えた。
カチャ、と銃を構える微かな音に反応したアイザックは、素早く動く。
自分の後ろにあった赤い
目眩しに使った窓掛は効果があった様だ。
太宰に銃弾が当たらずに済んだ。
アイザックは、太宰の座っていた椅子を後ろに倒し、一時的に銃弾から身を守れる壁を作った。
「痛ったぁ!一寸ぉ、丁寧に守ってよう」
「うっさい、感謝しろ感謝!」
無数の銃弾が椅子に当たる。
この位置も長くは持たないか。
「絶対此処から動くなよ!」
そう太宰に云い捨てたアイザックは、立ち上がって走った。
腰に隠して居た拳銃を素早く手に取り、発砲して来る男二人の肩を撃ち抜く。
「ちッ、殺すなってのが面倒…」
先程まで楽しく賑やかだったこの場所は、悲鳴の嵐になった。
ふと、アイザックに銃弾が飛んで来る。
黒髪眼鏡の青年からだった。
体制を低くして避け、青年の下腹部に蹴りを喰らわせる。
アイザックは青年に銃口を向ける。
「あんたがしたい事は何だ」
「ぼ、僕は…彼奴を殺せば…解放される」
初めて見せたその青年の笑み。
アイザックが太宰の方に振り返ると、新しく三人の男が太宰に
拳銃を向けて居た。
「おや…三人掛かりで殺しに来るとは…光栄だねぇ」
「××様の指示により、貴様を排除する」
男三人はそう告げる。
「残念だなぁ、一つ教えよう。私の犬は躾がなって居なくてね。早い内に私を殺さなければ、
____噛まれて仕舞うよ?」
男が引き金に指を掛けた瞬間、アイザックの強烈な回し蹴りが炸裂する。
男三人はドミノの様に崩れ落ちる。
アイザックの瞳には、殺意そのものが宿っていた。
しかし、太宰と目を合わせた瞬間、それは消える。
「此処を抜けるぞ、あんたの安全が優先だ」
アイザックは太宰を担ぎ上げ、全力で走り抜ける。
外に抜け、停車していた借車に乗る。
「飛ばす。シートベルトしろよ!」
深夜の横浜の街を、荒々しい運転で走る。
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要注意異能力者___内務省異能特務課より
アイザック・バシェヴィス・シンガー:身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
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χCielχ(プロフ) - かれぇらいすさん» ほわ〜!!ありがとうございます!!二次創作ではどれも画像に規制がかかっており、誤字修正の際に申請通してない画像は全部消えてしまって、アッ…となりました…ヒィ...とても申し訳ないです…!あいざくんはこれからも描くので、何卒…ッ!!!! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
かれぇらいす - 久し振りに読み返してます!ところで第三十一舞のアイザ君のすんばらしいイラストはもう見れない感じですか…?私の端末だと写らない(?)のですが…(´・ω・`) (2020年3月16日 0時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» わ〜!ありがとうございます!文スト自体が流血沙汰なので回避しきれない案件です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - χCielχさん» 第一章を読み切りました。アイザックさんも、厄介な過去をお持ちですね汗。根は、レイくんににていますね。細かいところは違いますが... 。少し休憩してから、続編を読んで、いきます。余談、シエルさんの、文スト、どうしても、流血沙汰に(苦笑)。 (2019年9月26日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 那佳さん» ぎえええ!?もしそうならとても嬉しいです(*´-`*) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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