第三十七譚 ページ37
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「いぃっくし！！」
「意外にでけーくしゃみ」
「黙れよ」
体全体がびしょ濡れになり、寒くて思い切りくしゃみをしてしまった氷室。荼毘に真顔でデカいと言われてしまった。
荼毘と氷室は、周囲からは見えない岩場の方に居た。お互い向かい合う様にして岩に座っている。
「おい、俺の服乾かすとか出来ねえの」
ずびずばと鼻をすすりながら、氷室は荼毘に言う。
「出来るがまあ、服焦げるぞ」
「加減出来ねえのかよ」
「火力の上げ方しか知らないもんでな」
そうかよ、と、氷室は立ち上がり、何やらその辺の木を集め始めた。湿気っては居るが使えるには使える。それなりに集め、戻って来た。
集めた木を「ん。」と荼毘の前でばら撒く。
「火ィつけて」
「……まあそんくらいなら」
氷室が集めて来た木に触れて、青い炎をつけた。荼毘の炎は温度が高い。湿った木はあっという間にカラカラになり、焚き火が出来上がった。
「…あったかい」
温かさを求めるように、氷室は焚き火に寄って、呟いた。氷室はいつだって寒さを感じている。秋や冬は特に。
「おい。おい雪弥クン。火傷するぞ。してもいいなら別に止めねえけど」
荼毘に呼びかけられて、やっと気付いた。氷室は無意識に…焚き火に手を伸ばしていた。ハッとして、咄嗟に手を引っこめる。
「……いいな、炎。俺も炎が良かったよ」
焚き火に触れそうだった手をさすりながら言う。
「そうか？死ぬなら焼死より凍死の方が綺麗だろ」
「フォローになってねえからそれ」
何となく辛気臭い雰囲気に面倒臭さを感じた荼毘。何かを思い出したように、わざとらしく手をぽんと叩いた。
「手出せよ」
「…あ？何すんの」
と言いつつも、氷室は素直に荼毘の方へ手を出した。荼毘はポケットから何かを取りだし、氷室の手のひらに乗せた。
「やるよ、それ」
それは白い貝殻だった。さっき拾っていたようだ。
普通ならこれは綺麗だと思うのだろう。だがしかし、氷室は感性も性格も底辺なため、不思議そうに顔を歪めた。
「…は。なに？ゴミじゃん」
「失礼だろ。傷付いた」
「絶対傷付いてないだろあんた」
へらついている荼毘を見ると、どうにも傷付いて居るようには見えなかった。
「ま、貰っといてやる」
そう生意気を言って、貝殻をポケットに入れる。それから「なあ、荼毘」と声をかけた。荼毘は何も言わずに、氷室と目を合わせる。
「…認めてやる。あんたが俺のダチだったって事」
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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