第二十三譚 ページ23
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「爆豪が早急にニトロで凍結を溶かしたおかげだね。問題は無いよ」
保健室のベッドに横たわる氷室を見ながら、リカバリーガールは言った。氷室は気を失っている。
「爆豪に感謝すべきですね。すみません、ありがとうございます」
保健室には相澤も居た。相澤は、爆豪と氷室の戦闘に中止を呼びかけて居たが、二人に相澤の声は届かなかったようだ。
余りにも寒いと血流が悪くなって耳の機能が低下する上に、『爆破』の爆発音で良く聞こえなかったのだろう。
中止の声が届いたのは、蛙吹だけであった。
「…あれ」
氷室の耳を見ると、通信機が無かった。それで分かった。寒さ慣れしている氷室には、自分の制止の声がちゃんと聞こえていたんだと。
だが氷室は、自分で通信機を取ってどこかへ投げ捨てていた。
「はぁ、コイツ…」
「どうかしたかい？」
「いえ、こっちの話です。何でもありません」
相澤は片手で顔を覆った。深い溜め息を吐いては、ベッドの氷室を見下ろす。そのまましばらく考え事をしていると、氷室の手がぴくりと動いた。
白いまつ毛がゆっくりと開くと、光のない虚ろな赤い瞳が、きょろきょろと彷徨っていた。ここはどこだ、と。
「…氷室」
相澤の声がしたので、氷室はその声の方に顔を向けた。氷室から見る相澤は、ずいぶんと辛気臭い表情をしている。
「…なに、その顔。ウケる」
「ウケないよ。お前は本当に言うことを聞かないね」
目覚めても、氷室は相変わらずへらへらとしているが、何かを思い詰めて居る気がしてならなかった。
「氷室。どうして制止を聞かなかった。爆豪の処置がなかったら今頃酷い凍傷になっていた所だよ。凍傷は痕も残る」
「あんたには関係ねえよ」
「あるよ。お前の先生だからね」
相澤の真っ直ぐな視線。その視線から逃れたかった。氷室は小さく舌打ちをして、相澤から視線を逸らす。
「…爆豪勝己。あいつの声聞いてたら、思い出したことがあっただけだよ。まだ思い出せそうだったからやめたくなかった」
上半身だけ起こしながら、氷室は言った。何だったかなあと、白い髪をぐしゃぐしゃと触っている。
「そうだ。親のことだ。あとは家の感じとか」
それを聞いた相澤は、つい氷室の肩を強く掴んでしまった。氷室は親のことを話さなかった一人暮らしの少年で、家庭事情については、ずっと謎だったからだ。
「…親は？どんな人だった？」
聞くなら…踏み込むなら。氷室の記憶がない今だ。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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