Desire４３ ページ43
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目が覚めると…怖くなった。思い出せる物は全て思い出したものだから、自分が今何をすべきかが明確に分かる。
全て忘れたまま、呑気に過ごしていた方がマシだな。過去の自分と今の自分が重なり、何とも言えない恐怖に支配された。
こんな血筋でなければ、当たり前の様に存在出来たはずだった。こんな血で無ければ世界を知らず、とうの昔に死んで生まれ変わって居たはずだった。
もしかしたら…生まれ変わった先で、皆と普通に過ごして、夢を見ていたかもしれない。生憎俺には、自決をする程勇気はない。
だけど、皆の為ならばと。そう思えば決意が出来る。
上半身を起こして、掌に視線を落とす。俺は欲深くて、罪深い。自分勝手だ。だから償う。今から為すこと、それは最善策。
記憶を取り戻したからか、やけに頭が冴えて居る。
ベッドから降りると、ぎし、と軋む音がした。部屋を見渡すと、俺の部屋より遥かに広い。あぁそうだ。ここはリヴァイ兵士長の部屋か。
机に突っ伏して寝ているリヴァイが目に入る。俺がベッドで寝てしまったから、リヴァイが寝る場所がなかったのだ。申し訳なくて謝ろうとしたが…起こすのもな…。
「珍しいな…寝てるのは初めて見た…かも」
ジロジロとリヴァイを見回す。相当疲れているのか、起きる様子は無い。試しに名前を呼んでみる。
「リヴァイ、おーい」
つんつんとつついたら、少しだけ動いたが起きた訳では無さそうだ。これは本当に珍しい。
そして俺はあることを思い付き、手をぽんと叩く。部屋の隅に向かい、そこに備えてあった用具箱から掃除用具のハタキを取り出して、眉間にシワを寄せたら…低い声でこう言ってみる。
「……『てめぇら、掃除が全然なってない。全てやり直せ。』……っふ、ふは」
リヴァイが寝ているのを良い事に、真似をして一人で笑う。我ながら似ていたものだから笑いを堪えられなかった。
「『溝に沿って拭け。』とかな……リヴァイのやつ、掃除用具で巨人と戦えそうだもんな」
口を押さえて笑う。
「……ほう」
ご本人様の声がして、びくりと肩を震わせる。恐る恐るリヴァイの方を見れば、頬杖を付いてこちらを見ていたリヴァイ。心做しかいつもより不機嫌そうだ。
「い…いつから見て…」
「お前が用具入れからハタキを取り出す所からだ」
「な、なんで、最初じゃん…！なんで何も言ってくれなかったんだよ！」
リヴァイに鼻で笑われる始末であった。
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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