Desire３４ ページ34
__
エレンの元に稲妻が落ちる。
俺はその衝撃である強風に耐え切れず、足が後ろに1、2歩よろけた。
「エレ…」
俺がエレンの名前を呼ぼうとすると…俺の体全体が、巨人になったエレンの手に覆われた。
エレンが俺の事を掴んで、持ち上げる。
「あッつ…！」
蒸気が立っていて、エレンの手はかなり熱くなっていた。
その様子を見ていたリヴァイ班の皆が、凄い剣幕で刃を構えた。
エレンの腕を削ぎ落とそうとしていた事は分かっていた。
「待って…！」
俺が言うと、皆止まってくれた。
少し不安だな。怖いけど、巨人になったエレンの目を見つめた。
エレンを見ると、あまり自我が無さそうな感じだった。
「エレン、俺から…何か分かる？分かるなら…」
すると、エレンの手は俺をだんだん締め付けた。
苦しい。そう思っても、締め付ける強さは増す一方だった。
「エレン……、エレン！！」
キッ、とエレンを呼び起こす様に鋭い目付きで睨み付けて、名前を呼んだ。
急に巨人エレンの手がふるふると震えだした。
…と思えば、エレンの咆哮が俺の目の前で起こった。
かなり大きいその声量を間近で聞いた俺は、鼓膜が変になったのか、耳鳴りしか聞こえなくなる。
地面に居るハンジが何か言ってる。
けど、キンキン耳鳴りがうるさくて、何も聞き取れやしない。
瞬間、俺の体が落ちた。
リヴァイが、エレンの腕を削ぎ落として俺とエレンの距離を取った。
腕ごと地面に落ちた俺は、確かに「痛っ」と口にしたはずだったけど、自分の声すら聞き取れない。
駆け付けたリヴァイ班の皆。
ペトラが俺の肩を掴んで揺さぶった。
皆必死に俺に何かを言っているけど、ごめん。本当に聞こえ
ない。それ何て言ってるんだ？
一方のリヴァイは、器用にうなじを削いで、エレンだけを取り出した。
リヴァイはエレンを片手に持ったまま、俺の方に近付いてきた。それも凄い血相で。
リヴァイの鋭い目と視線を合わせたら、リヴァイが口を開いた。
「＿＿＿＿。」
俺には、リヴァイが言った言葉が聞こえなかった。
＿＿＿＿
＿＿
「あー、A？どう？聞こえるー？」
ハンジが大きい声で、俺の耳元言った。
「あ…まぁ、少しだけ」
実験が終わって、やっと少しだけ声が聞き取れるようにはなった。
__
桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
