Necromance６３ 穢れた追憶：参 ページ13
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十五歳の頃。俺の家族は全員死んだ。
殺したと云うのが正しい。試したかった。死霊術と云う物を。俺は普通に、家族が好きな子供だったんだと思う。
人と云う物は、必ず死ぬ。母親や父親なんて、先に逝って仕舞う。姉だってそうだ。そう考えただけで、何故か心が締め付けられた。
そう、心が締め付けられた。当時は、この謎の苦しさが嫌で嫌で、何とか抜け出したくて。
考えたのが死霊術だった。俺は霊体と話せる。ならば霊体を縛り付ければ、俺が死ぬまで一生ずっと一緒に居られる。だから殺した。そうして縛り付けた。
けど当時は勉強不足で、完全に縛り付ける事が出来なかった。いつの間にか、縛り付けた霊体は何処かへ消えて居た。
死神にでも持って行かれたんだろうな。そう思った。
ただ俺は、それで犯罪者だ。全員で三名の殺害。焦りは無かった。揉み消す事なんて簡単だと思った。だけど…しようとしなかった。何故なら、その役が現れたからだ。
アイザック・バシェヴィス・シンガー…その父親。
アイザックの父親は云った。「お前の罪を消してやろう」と。利用出来る物はする。俺は、森医師に習った。
大方、森医師の命令でもあるのだろう。アイザックの父親は、元々はマフィアの科学者だ。
然し、相手もタダで罪を揉み消してくれる訳でもなく、こう切り出してきたのだ。「協力してくれ」。
協力しろと。嗚呼、またこれか。詰まらないな。ならば断ろう。そう思った。
ふと、その男の背後。足元の方から、小さな男の子がひょっこり顔を出した。男の衣服をぎゅっと掴み、純粋な赤い瞳で…俺の事を見詰めたその子。
俺の事を知らない瞳。穢れ等一切知らないその瞳。俺を、只の人間として見てくれたその男の子。元々末っ子だった俺は、弟に憧れて居た。
男の後ろから出てきた…金髪赤目の男の子を、可愛いと思った。弟を見るかの様に。
「君、名前は？」
俺が話し掛けると、男の子は驚いて父親の後ろに隠れて仕舞った。
「ああ、この子はアイザック。是非仲良くしてやってくれ」
「勿論！」
俺は即答し、『協力』を認めた。
そうして俺は、養子としてでは無く、半ば居候としてシンガーの世話になった。高校に行く金は、全て出してくれた。俺は人を三人も殺して置きながら、世間からは『被害者』として扱われた。
死神に無理矢理持って行かれない様な、頑丈に縛り付ける死霊術を扱うには…もう少し勉強が必要である。
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何処かの誰かのノート
彼奴を必ず救う。絶対に。
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ekakisitemasu(プロフ) - 1番最後の何処かの誰かのノートの彼奴を必ず救う。絶対に。で大号泣しました、、、、 (2022年10月21日 23時) (
レス) @page50 id: 583e2155f1 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 天才 (2022年4月29日 13時) (レス) @page50 id: 1cfd8c976c (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ファイさん» ありがとうございます…！笑って泣けるような作品にしたくて書いておりました！こちらこそ埋もれていたであろうこの作品を見つけてくれてありがとうございます、とても嬉しいかぎりです…！！！本当にありがとうございました！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ - ｱｯ……ﾔﾊﾞｲ エッ俺の心臓無事？大丈夫?あ、好き 主様本当にこんな素晴らしい作品を書いてくださり有難う御座います大好きです応援してます大好きです｡ 最初見たとき大号泣してしまいました｡ 本当にこんな素晴らしい作品を書いてくださり有難う御座います神! (2021年11月16日 18時) (レス) @page50 id: 1f415ed449 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 白鳥さん» あわわ、ありがとうございます.......！是非に！！！！私も白鳥さんのような方に出会えて嬉しさの極みでございます…ありがとうございます.......！！！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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