Necromance36 ページ36
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「えぇ?何だってー!?」
態とらしい藤崎の声が響いた。
何やら誰かと通話をして居る様だ。それにしても善く出た。藤崎は居留守常習犯である。通話相手は国木田であった。
『乱歩さんは出張、太宰は川をどんぶらこだ。丁度善く判らん
事件の依頼が入って来た。乱歩さんに聞いた所、藤崎に聞けと。探偵社に来い無職』
「えぇ?何だってー!?」
また態とらしい声。
『聞こえとるだろうが!!何度も云わせるな!!』
「聞こえないよ〜!待って。ど、どんぶら…うっはははは!!どんぶらこ!!だはは!!」
国木田のどんぶらこ発言に、笑いのツボに嵌って抜けられない藤崎。爆笑する藤崎に対して、国木田は冷静に『よし。聞いて居たな。云い逃れは出来んぞ』と話す。
仕舞った!と藤崎。国木田も中々やるな。流石は太宰の相手をして来た人物。
「…それで。どんな依頼だったの」
寝台からむくりと上半身を起き上げて、国木田に問う。
急に藤崎の笑いも収まり、人が変わった様に落ち着いた声で国木田と通話を続ける。国木田も一瞬、彼の変化に戸惑うが…直ぐに用件を云う。
『次々に起こる、無差別な連続殺人事件だ』
国木田はこう話す。
それは大勢での犯人が起こした事件。捕らえた犯人の全員が大人しく、人を殺せそうになさそうで。中には話す事もままならない者もいた。
どれだけ犯人を捕まえても、殺人は止まらない。犯人が増えに増え続けている。切りが無い。原因も判らず、異能による物かと疑った軍警察。
そこで軍警察は、武装探偵社に事件の解決を依頼した。
精神操作の類とも疑われた。然しそれは無い。これ程規模の大きい精神操作など。露西亜の貧弱そうな彼ならば簡単に出来るであろうが…これは彼のやり口では無いし、そもそもこんな意味も無く詰まらない事はしないだろう。
「判ったよ」
『は』
「だから乱歩君は俺に押し付けたのか。意地が悪いなぁ〜」
へらへらと電話越しに笑う藤崎がやけに不気味だ。何せこんなにも意味の判らない事件をあっと云う間に。乱歩は既に判って居たが、説明が面倒で藤崎に押し付けたのだろう。
「取り敢えず行くよ。待っててね独歩ちゃん」
語尾にハァトが付く様な口調で話した藤崎。電話の向こうの国木田は鳥肌が立って止まないだろう。
『早く来い、気持ち悪い』
ブツ、と通話を切られ、藤崎はやれやれと肩を落とす。
「真逆…禁忌とされた手術法が、蘇るとはね」
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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