君の世界に、意味を与えよう。Act2【文豪ストレイドッグス】

salvage１００ 意味をくれた君へ ページ50

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真っ白な壁と床。此処は『海底研究所』。



そこに居たのは、砂色の外套を着た太宰と…拳銃を手に持つ…
亜麻色の髪の青年、北森鴻の姿。


太宰と北森の目線の先には…青い髪をした『人造人間』の姿。この人造人間は横浜を滅ぼしかねない程強力な、完全体の人造人間。


先程北森は、この人造人間に吹き飛ばされた。人造人間は太宰に近付く。


太宰は後退り、絶体絶命にも関わらず、口角を上げた。




＿＿＿＿呼ばれたらいく。俺はおまえが大事だから。




ふと、こんな時に思い出した…レイの言葉。




「レイ君、」



誰にも聞こえない位の音量で、ぽつりと呟いた。彼は約束は破らない。何処に居たって。少しばかりの期待を抱いて。…真逆ね。と、短くため息を吐いたその時。


太宰の足元へ、薔薇色の瘴気が漂って来た。迷っている暇は無い。




「鴻君！耳を塞ぐんだ！」



北森にそう告げ、耳を塞いだ…その直後。



キン、と耳を刺す様な…甲高い音が反響し、辺りがビリビリと震える。これはレイの『遠吠え』。この高音の音域が、人造人間の機械で出来た身体に響き、ショートさせる。





聞こえたのは…懐かしい機械音。



『レイ・ブラッドベリの拘束解除申請を確認。承諾。解放します』



途端にレイは霧になり、青髪の人造人間の前に現れる。そして眉間を拳で一発。腕が機械を貫通する。



苦戦していた人造人間が、一瞬で絶命した。北森は目を丸め、ただ彼を見ていた。レイは北森に近付き、亜麻色の髪に優しく手を置いた。




「大きくなったな」



北森を撫でて居ると、横から太宰がレイにこう云う。




「…レイ君、私は？」



久々の太宰の顔。それは切なそうで、嬉しそうな表情。四年が経った太宰の身長は、同じ位だったレイの身長にかなりの差を付けていた。それにはレイも驚いた。



「かなり、でかい？」



「え？何で疑問形なの？」




そんな会話をしたのも束の間。人造人間の増援が向こうから押し寄せる。「まかせろ、通さない」とこの場を引き受けたレイ。


「頼んだよ」。太宰の小さな声が聞こえ、太宰と北森は別の場へと移動した。





あぁ、任せてくれ。お前達の力になろう。それが…自分の本当の意味だ。






＿＿＿＿薔薇色の瞳が、根強く咲き誇る。










こちら、解説イラストです↓
http://img.u.nosv.org/item/magi25/1557130375


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ポートマフィア『隷属部隊』隷属者No.01

レイ・ブラッドベリ：音楽界の名家『ブラッドベリ』出身。血が足りて居れば下手に暴れる事は無い為、適度な血の供給を推奨する。＿＿＿＿隷属者No.01『所有者』＿＿＿＿太宰治。

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