君の世界に、意味を与えよう。Act2【文豪ストレイドッグス】

salvage９１ ページ41

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雑木林がぼうぼうと繁茂するその道を抜けると、ある洋館があった。その内部では激闘を繰り広げる音。


銃声。キンと甲高い音を立てて落ちる、空薬莢の音。



転がるミミックの兵。天井にあるステンドグラスが夕陽に照らされ、気味悪く死体は鮮やかに照らされて居た。


広間で対峙するは、未来予測の異能の持ち主、織田作之助。彼の赤い髪や砂色の外套が揺れる。


そしてミミックの長、アンドレ・ジイド。彼もまた、織田と同じ異能の持ち主。




双方が撃ち合って居るとそこへ、複数の足音が聞こえた。前方からマフィアの武装構成員、後方からミミック兵。


二人は絡まり背中合わせになり、そのまま背後の敵を撃った。まるで舞踏をする様な銃捌き。何方も引けを取らない。




ジイドは云った。これが乃公の求めた世界だと。


織田は聞いた。何故求めたと。すると帰ってきたのは答えではなく質問。お前は何故殺しを辞めたのだと。


こう答えた。





小説家になりたかった、と＿＿＿＿。







＿＿＿＿
＿＿







「だざいがよんだ。出せ」



レイは看守に強く云う。然し看守はレイを出そうとはしない。



太宰よりも更に従うべき者…ポートマフィアの首領、森鴎外の命令が…『ミミックの騒動が終わるまでは、レイ・ブラッドベリの解放を禁止する』だったからだ。



そしてレイも今は、太宰では無く鴎外の隷属者。




「貴様の出る幕はない」



看守がレイの目を見ずに無愛想にそう発した。レイは看守を驚かす様に、ガシャン！！と音を立てて鉄格子を握った。



「いいから出せ！」



隷属部隊の看守には、レイが暴れた場合には、一度射殺しても善い許可が出て居る。そうすればレイは血の力を余計に消耗し、一時的に大人しくなるからだ。




「俺を出せ、くそやろう」



これは中原の真似。挑発にはうってつけだ。看守は拳銃を構え、その銃口をレイに向けて発砲。


レイは両手を前に構える。放たれた弾丸が鎖に命中した事により、レイの腕を拘束する鎖が断ち切れた。



粉々になった鉄の鎖が床にばらばらと落ちる。




「しまっ＿＿＿＿！」



仕舞ったと云う余裕も無く、レイの怪力で鉄格子は吹き飛ばされ、看守の鳩尾に蹴りを炸裂させた。それにより看守は気絶。




レイはフッ、と霧になった。





その後最年長のつかさは、赤くなった目を擦って、皆に振り返った。





「…皆、善く聞け。彼奴は＿＿＿＿」




つかさの言葉に、他の三人も目を丸くした。




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ポートマフィア『隷属部隊』隷属者No.01

レイ・ブラッドベリ：音楽界の名家『ブラッドベリ』出身。血が足りて居れば下手に暴れる事は無い為、適度な血の供給を推奨する。＿＿＿＿隷属者No.01『所有者』＿＿＿＿太宰治。

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