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織田が指差したそれは、翡翠色のループタイだ。


そのループタイは、今北森が手に持って見ていた物だった。



北森は、翡翠色のループタイを織田と重ねて見詰めた。太宰が、織田のような明るい砂色の外套を着るとなれば…かなり合わせの善い色になるだろう。




「うん、善いと思うよ」



そうして北森は、織田の手に翡翠色のループタイをそっと置いた。




「有難う。お前は向こうで待って居てくれ」



判った。と北森は織田が指を差した方向へ歩いた。


店内の端っこにあった椅子に腰掛けた。それにしても、善い店だなあ。綺麗で癒される。



会計を済ませるだけの筈が、随分遅い織田。少し見に行こうと思うと、会計を済ませた織田が、機嫌が良さそうに北森の元へ帰って来た。




「遅かったね。あ、袋詰め?このお店凝ってそうだしね」




「あぁ」




「よし…買えたね。それじゃ、俺は」




「カレーを食べに行こう」




織田の言葉に、北森は固まった。目を丸くさせ、暫く織田の
無表情を見ていた。




「…ふ、あはは。本当にカレーが好きなんだ?治くんの云ってた通り」



「太宰が?」





「『織田作は本当に辛いの平気なんだよ』って、自分の事みたいに鼻を高くしてた。自分は一口も無理な癖にね?」




北森は口を軽く抑えて、少年らしく笑った。




「お前は平気なのか?」



「全然平気。むしろカレーは辛くないと満足出来ない」



気が合うな、と織田は微笑んで云う。




「近くに、激辛カレーのお店あるよ」



「…是非行こう」






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カレーを食べた後、二人は駐車場に停めた車内に居た。


目が痛くなる程の辛さにひいひい云う事もなく、ぱくぱくと
カレーを食べる二人に、店員も驚いたものだ。





「今日は有難う。助かった」




「ううん、楽しかったよ」





すると織田が、先程アクセサリー屋で買った袋をごそごそとし始めた。




(こう)、腕を貸してくれ」




「あぁ…うん?」




北森は織田の前に右腕を差し出した。見えたのは、長くて赤い紐。



いや…長いミサンガだった。


織田はそれを四重にし、北森の手首に巻き付けた。


そのミサンガは、きめ細かい糸が綺麗に編んであったもの。





「…え、」




「お前にはこれだ。赤いミサンガは…運動関係に善いらしい。
高跳び、頑張れ。大会とかあったら…教えてくれ。見に行く」




あ、れ…?



何だ、これは?



胸に、何か…痛みを感じた。



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χCielχ(プロフ) - 桜月さん» 昔の作品ですが、自分でも書いててすごく楽しかった思い出があります😌キャラの濃い夢主君でしたが楽しんでいただけたようで何よりでございます!出会うことが出来て良かった作品と言っていただけて本当に嬉しいです、見つけてくれて有難うございました! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 北森くんと太宰さんの関係が少しせつないけれど、、でも微笑ましくて、、腹黒で太宰さんloveな素の北森くんがとっても最高でした!!本当に涙なしでは読めなくらい感動しました!このような素敵な作品や北森くんに出会うことができて本当に良かったです!大好きです!! (2021年11月18日 21時) (レス) id: 125cb29da4 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» その三人ともちろん安吾さんも北森の大事な人になっています!!北森はめちゃくちゃ意地悪な子ですへへへへ...!黒の時代のミミックと対峙した所は原作、それ以外は全てオリジナルでございます!約9割ほどがオリジナルかと思われます!続編は完全オリジナルです!!! (2019年9月11日 22時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 北森くんの心を、太宰さん、織田作之助さん、中也さんの、三人でとかす物語ですね。北森くんの性格はおもぃっ切り意地悪のようですね汗。原作沿いのようですが?とりあえずハッピーエンドで続編ですね。余談?マフィアが、マリオカートで勝負って笑笑。 (2019年9月11日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 刹那さん» すすすす全て!?ありがとうございます…!こーくんですか!依存すごいですがありがとうございます嬉しいです! (2019年4月21日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:χCielχ | 作者ホームページ:χCielχ  
作成日時:2018年12月8日 15時

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