文豪共、酔い潰れて溺れろ。【文豪ストレイドッグス】−黒の時代−

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「…っ、落ちて死ねばいいのに」



と、カーブでドリフトを利かせ、苛立った車体に当たりに行く北森。


見事に当たりに行った車体は、コース外に落ちてしまう。




北森は、カーゲームをしていた。





「よっわ。そんなんアイテムのお蔭じゃん…、ほっ！」



とは云いつつ、北森自身も最強のアイテムを駆使する。




ゴールテープを切ると、左上には金色の字で『1位』と表示されていた。




「レート五十位以内舐めんな莫ー迦」




ゲームセンター内の音量が大きい事を善いことに、北森は云いたい放題口の悪さを吐き散らした。



学校とか何時も、真面目で運動神経の善い完璧人間で居るから…その反動だ。学校なんて北森にとって窮屈な場所でしかなかった。



すると、北森の耳がぴくりと動いた。


聞いた事のある声がしたからだ。






「中也、あの少年のドリフト捌き見たかい？相当の手練だ！
彼と勝負して勝ったら賭けは君の勝ちにしよう」




「はぁ？なんで手前がやらねえんだよ？」




「私とやったら、中也が負けることなんて目に見えているもの。そんなの詰まらないじゃあないか。

じゃあ私、アイス食べて来るね」






…と、云う声だ。



嫌な予感がした北森。早めにこの場を立ち去ろうとスクールバッグを持ち、カーゲームの席を立った。




肩に感じた圧力。




肩に、手を置かれて居た。





「おい待て、餓鬼」




恐る恐る、笑顔を被って振り返った。





「はい？」




同じ身長位の、橙色の髪の黒帽子。



バリバリ、み た こ と あ る 。




本当に捕まるかも知れないと思った相手。崩された床の下が、
偶然酒のあるバーだった為、一命を取り留めただけだ。




まぁ、顔はバレて居ない理由だ。この人も「隼あああ！？」
なんて思ったりしないだろうから落ち着こう。





「俺と勝負しやがれ。俺の人生が掛かってんだよ、判るよな？
とは云え手前が手を抜いたらそれこそあいつに笑われる。手ぇ抜いたらタダじゃ置かねぇぞ」




「…え、あぁ…」





北森の呆然とした顔である。





＿＿＿＿何？このゲームそんな命賭ける程のもんなの？

まぁ俺が勝とうが負けようが、この人は他人な訳で…別に俺に危害が及ぶわけでもないので全力で負かしてやっても＿＿＿＿




北森の脳内で、ドス黒い何かがじわじわと芽生えたが、知らない方が善い事もある。






「…判りましたよ、お兄さん」






「そう来なくっちゃあな、寝癖野郎！」






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