第七十一舞『須らく繋結』 ページ21
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地図に記された場所に着き、その場所に足を止める。
建物を見上げると、四階程の高さだ。
目の前の扉には、『close』と書かれた板がぶら下げられて居た。
しかし、今のアイザックには、此処しか行く場所が無いのだ。
扉の取っ手に手を掛け、ゆっくりと扉を開けた。
すると、チリンと優しい鈴の音色。
ふわりと
「喫茶所…」
探偵事務所一階にある喫茶所、うずまき。
closeと書かれて居たにも関わらず、数人客が居た。
貸し切りかとアイザックは思った。
素早く店を出ようとしたが、明るい声に呼び止められた。
「アイザック！」
ぴくりと肩をびくつかせ、呼ばれた方向を見た。
「ちょ、何処行くの！？こっちこっち！」
白髪の不対照な前髪…中島敦。彼がアイザックを手招きして
呼ぶ。
「あ。アイザック君 遅いよ！僕先に食べちゃう所だったじゃないかぁ」
ハンチング帽…糸目で少年のような人物。
江戸川乱歩だ。
あの乱歩が、アイザックが来るまでお菓子を我慢して居た。
「全く。漸く来たか…俺の予定ではあと三十分は早い筈だったのだがな」
堅物眼鏡…彼が国木田独歩だ。
眼鏡を押し上げ、チラッとそれを光らせた。
「おや、注射の痕が残ってるねェ？治してやろうか？」
与謝野晶子…ボブカットに蝶の髪飾り。
「注射の痕は自然に治した方が…ボクは善いと思うよ」
そう、ひそりとした声でアイザックに云うのは、谷崎潤一郎。
温厚な性格、緩い服装。
此処に居る全員が、まるで自分が居る事を当たり前の様に
接する。
ぽかんとしていると、裾をくいっと引っ張られた。
下に目をやると…赤い和服の少女が、こちらを見て引っ張って
居た。
「…来て。早く食べたい」
泉鏡花。彼女はアイザックを引っ張り、席に座らせる。
今日は、うずまきの新作メニューを試食すると云う事らしい。
「お早う、アイザ君。よく眠れた？」
座った席の正面から聞こえた声は、聞き慣れた様な…
落ち着ける声。
アイザ…。これは、アイザックの愛称。
冊に書いてあった。唯一、太宰治と云う男だけがアイザと
呼ぶと。
「…だざ、い？」
アイザックの言葉に、太宰は微笑んだ。
「うん、そうだよ」
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要注意異能力者＿＿＿＿内務省異能特務課より。
アイザック・バシェヴィス・シンガー：身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» ありがとうございます！アイザックはしかも望んでない体質ですからね…！！実はこの異能兵器、考案した奴はシンガーじゃないんですよ…さて誰でしょう…？？((激辛カレーは五分五分ですかね！！！？？ (2019年10月1日 19時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - アイザック編を、読み切りました。アイザックさんも、厄介な体質ですね汗。とんでもな異能兵器の発動で、冷や汗でしたが、なんで良かったです。余談、激辛カレー勝負の行方や、いかに!?(笑)。二人とも、口から火を吹くか!??。(笑) (2019年9月28日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - リアさん» ありがとうございました！カレーは…そうですね、二人とも1口目でギブしてそうです笑笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - カレーの勝敗気になりますwwとても面白かったです！(^^) (2019年7月4日 0時) (レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 翠柘榴さん» わーー！！ありがとうございます！見てくださったんですね…！！おっふ短気ゴリラアイザックがお世話になりました…((ひえええ勿体ないお言葉です、ありがとうございました！！！！ (2019年5月23日 0時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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