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「兄さん！」
「トントン、」
城から走ってきたのは赤いマフラーが特徴的なトントンだった。その顔は安堵に満ちていて、相当な心配をかけたことに改めで兄さんは気が付いた。
「無事でよかったわ…オスマンギリギリ狙いおって、」
「無事やないけど無事やで。」
兄さんが足を指しながら言えばトントンは先程よりも青白くなる。
「…死刑やな。」
「いやオスマンじゃないからな?森で襲われて、」
「！？兄さんもか。実はショッピ君も襲われてん…。もう大丈夫やと思いたいんやけどな。」
トントンの目線の先には先程まで自分を運んでくれていたメイドが倒れている。地面は彼女の血で染まり、普通の人が見たら倒れるであろう血の量だった。
「…なんでオスマンはこの子を撃ったん。」
「兄さんがおらん問に俺とグルッペン、エミさんとぺ神、それからオスマン以外は全員何かしらで倒れたんや。その犯人がその女っちゅうわけや。」
その目に慈悲はなく、冷たい目で彼女を見つめていた。
「俺は…この子じゃないと思う。」
「…なんでそう思うん。｣
「俺を看病した上、ここまで背負って運んできた子が俺を殺そうと襲ってくるか？あり得ないだろ。それに…」
「兄さん、証拠は揃ってたんだ。これ以上庇う必要もない。」
トントンの後ろにはいつの間にかグルッペンがいて、そう言い放った。
何を見たわけでもない兄さんは口をつぐみ、彼女を見た。
その目には涙が一筋零れ落ち、最後の言葉の意味を考えさせられた。
「ごめんって…なんのごめんや…。」
情けのつもで涙を拭う。もっと早く出会って会話をしていれば、何か変わったんじゃないだろうか、そう思う兄さんだったが、死んでしまえばもう何もしてあげられない。後悔だけが残るばかりだ。
「兄さん、帰ってきて早々悪いが、バシラス国の情報が欲しい。もしかしたら戦争になるかもしれん。」
「…あぁ、わかった。」
トントンに肩を借りて立ち上がり、城内へと進む。
彼女がその後どうなったのかは知る間もなく、我々国はバシラス国に大敗した。
✱
｢………また同じ天井。｣
私は…もう一度やり直すんだ。
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レラ - 面白かった!! (2020年5月2日 14時) (
レス) id: c77952c361 (このIDを非表示/違反報告)
あずき・FB - 初めまして、めっっっちゃくちゃ好きです！！！(唐突な告白イベ) メイドになるっていう設定も凄いそそられます…！[ps.因みに続編見れなくて何回か意識がぶっ飛びました((( あぁ…非ログ勢はつれぇよぉ…(心の叫び)] (2019年12月13日 1時) (レス) id: 8e99c8eed5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて何よりです(；A；)続編も楽しみにしていただけたら幸いです(>_<｡)またよろしくお願いします！ (2019年12月4日 20時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても続きが気になる物語です！勝手ながら、いつも更新待っています!(’-’*)♪これからの展開がとても楽しみです！ (2019年12月4日 17時) (レス) id: ccb5120fa0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 優里愛さん» コメントありがとうございます！もうそろそろ終盤です！お付会いの程お願いします！(>_<｡)ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。 (2019年12月3日 21時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼雨茶 | 作成日時：2019年11月14日 9時
