18 ページ33
.
場所を移動して病室から離れた応接室に入った。
自分は椅子に座ったが、彼女は椅子の後ろに立ったままで座ろうとはしなかった。
「ちょっと長話になるかもしれんから座って。」
「はい。」
メイドさんいうもんはほんまに指示がないとダメなんかな…まぁ俺が幹部っていうんもあるんやろうけど…
履歴書で見たクレアは37歳と割と歳がいっているように思えたのだがその見た目はまるで20代とだと思えるほど肌は白く、綺麗な顔立ちをしていた。
「トントン様、聞きたいことというのは。」
「ぁ、すまん。その、教えて欲しいことがあってな、」
思わず見とれてしまい反応に遅れる。
まずいまずい不審に思われるのは後が困る。
「どういったことでしょう。」
「ここ数日で出かけたメイドっておるか?」
「…はい?」
クレアは鳩が豆鉄砲を食らったように固まり、質問を聞き返す。確かにそんな事急に幹部が気にするんだ、何かあったかなんて察しの良い奴ならすぐに気がつく。
「メイド服で出かけたやつ、おらん?」
「買い出しに行く時は基本メイド服です。そして2人で必ず行きます。量が量ですので、馬車をお借りして行かせております。」
「で、誰かわかるん?」
「はい。確か今週はルリとサニーでした。」
詰まることなく進む会話に冷や汗をかく。自然な会話なのに、とてつもない緊張が走る。
やっぱりこのメイド、出来すぎてる。
確かに長やっとって答えられて当然やし、なんら不自然はないはずやのに、僅かに感じる圧迫感がどうしてもただのメイドだとは思えない。
「いつ、そのメイドは買い物に行ったん。」
「4日前です。そしてその日に帰ってきております。」
4日前…なら、ちゃうんか。
「そうなんや…分かったわ。」
「トントン様。」
「ん?」
「失礼に思われたらどうぞこの場で解雇なされてください。私は、トントン様に部下を疑われていると感じてしまいました。この思いは、誤りでしょうか。」
伏せられていた瞳がこちらを見て、目が会った瞬間、先程の圧迫感は更に強くなり、背もたれに背をつけてしまった。
なんなんや、この、威圧感。
522人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レラ - 面白かった!! (2020年5月2日 14時) (レス) id: c77952c361 (このIDを非表示/違反報告)
あずき・FB - 初めまして、めっっっちゃくちゃ好きです!!!(唐突な告白イベ) メイドになるっていう設定も凄いそそられます…![ps.因みに続編見れなくて何回か意識がぶっ飛びました((( あぁ…非ログ勢はつれぇよぉ…(心の叫び)] (2019年12月13日 1時) (レス) id: 8e99c8eed5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて何よりです(;A;)続編も楽しみにしていただけたら幸いです(>_<。)またよろしくお願いします! (2019年12月4日 20時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても続きが気になる物語です!勝手ながら、いつも更新待っています!(’-’*)♪これからの展開がとても楽しみです! (2019年12月4日 17時) (レス) id: ccb5120fa0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 優里愛さん» コメントありがとうございます!もうそろそろ終盤です!お付会いの程お願いします!(>_<。)ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。 (2019年12月3日 21時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蒼雨茶 | 作成日時:2019年11月14日 9時