検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:27,564 hit

夜ノ海ハ暗ク静カ ページ10

夜野 side

私は走った、暗いヨコハマを全力で。


走って

走って

走って


辿り着いたのは 海岸。


ザァー……ザァー……

鼓膜に届くのは静かな波の音だけ。



靴を脱いで 足を入れた。



ジャプ……ジャプ……


ひんやりとした水が私の頭を冷やしてくれる。
けれど、心は落ち着かない。

ドクドクと心音が聞こえる。

それは とても大きな音に聞こえた。



「…入水……か」

ポツリと言葉が零れる。
死,にたい訳じゃない、けれど


「苦しいなぁ…」


胸が締め付けられる。



苦しくて苦しくて

苦労するとわかっていたのに

弱音が漏れた。



顔を上げて横を見れば

広がっているのは 夜の暗い海。


その色は先程の"彼"の瞳と同じで…



あんな風に怒った顔、久しぶりだった。

本気の怒り………。
正直にいえば、少し怖かったのが本音である。


「それに……」


自身の手首を見ると、うっすらと痕が着いていた。

「…なんで……あんな事」


押し倒されるのは初めてでは無い。
ポートマフィアに居た頃は 色の任務だってやっていた。……医務官なのに。

けれど、身内は初めて。


ぐちゃぐちゃに思考が混ざる。

彼の事は兄のように見ていた、それは彼も同じ。
彼だって、妹の様だとよく言っていた。

なのに何故、あんな事を……。



分からない。
あの名探偵なら 全て分かるのだろうか。


その時、誰かの気配がした。


「あれ、夜野さん?」

声がした方を向けば


『……人虎君』

「その呼び方辞めてくださいよ!」



人虎……基、中島敦君が立っていた。


──────────

短くてすみません!

白虎ノ思イ→←自分ノ選択ヲ信ジテ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月瀬(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます〜! (2019年10月9日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - 一気読みしてしまいました!とてもおもしろいです(^ー^)大変だとは思いますが更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています♪ (2019年10月9日 17時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月瀬 | 作成日時:2019年9月10日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。