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自分ノ選択ヲ信ジテ ページ9

*

「…は?」

怒気を孕んだ声に 一瞬怯む。

私はどうしても、この中也ほ本気の怒りによる圧が苦手だ。
有無を言わせようとしない…相手を押さえ付けるような圧が。


『私は……確かに闇の方があっているかもしれない…。けれど…ッ』


顔を上げて、真っ直ぐと彼を見据える。


『私は…私を信じて進む。自分の心を尊重する。』


御免ね、でも これが本心。
中也には分かって欲しい。幼い頃から兄のように慕ってきた貴方には。


『…だから…ッ』

「もういい、A」



中也の声が遮る。

彼が顔を上げると、何時もは透き通るように綺麗な蒼い瞳が濁った海の様に暗い。


嗚呼、駄目だ……


説得を諦めた瞬間、私の体はグラリと倒れた。


覆い被さるように中也が抑える。

私は、押し倒されたんだ。



『ち、中也?どうしたの、ねぇ……』


目が据わっている。

いつもの優しい面影は無い。




どうしよう……


「A…」



一人 グルグルと思考を巡らせていると
名前を呼ばれる。


中也は其の儘 私の首に顔を埋める。
吐息がかかって、擽ったさに身体が動く。


「なァ……A…。俺はお前…が……」



中也の声が止まる。

何故だろうと思っていると、私はある事に気が付いた。


私の頬を伝う生温い雫。

それは 瞳から零れた私の様々な感情。

▽▲▽▲▽
中原 side

Aを泣かせてしまった。



惚れている…愛しい女を 自分自身で傷付け、困らせ、泣かせた。

最低だ。



ぐちゃぐちゃと己の心の中で感情が混ざる中、
そっ、とAの涙を拭う。


だが、此奴は隙を見逃さない。


自らの涙で緩くなった拘束から逃れ
車から飛び降りる。



掴もうとした手は虚しくも空を切り、着地したAと目が合った。





菫色の瞳は 涙によって揺れながらも
光を宿し、真っ直ぐと此方を見据えていた。

夜ノ海ハ暗ク静カ→←近寄ル闇ノ遣イノ者



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月瀬(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます〜! (2019年10月9日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - 一気読みしてしまいました!とてもおもしろいです(^ー^)大変だとは思いますが更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています♪ (2019年10月9日 17時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月瀬 | 作成日時:2019年9月10日 12時

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