21話 ページ22
棘は暫くは絶対安静という事で病院でカカシ、そして数名の上忍の監視のもと病室で過ごすことになった。
カカシ「おはよう。体調はどうだい？」
棘[おはようございます。だいじょうぶです]
棘の顔色も狗巻家の騒動があった日から随分と良くなったように見える
カカシ「今日は棘に文字を教えようと思ってね！平仮名以外にも漢字、カタカナを覚えよう！ほら教科書もドリルも持ってきたよ」
そう言ってカカシは数本の教科書等を見せる。
それを見た棘の顔はとても嬉しそうだった
カカシ「珍しいね？子供は勉強が嫌いなものだと思っていたよ」
棘は紙に文字を走らせる。
棘[もじをおぼえるのはたのしいです。
わたしはしゃべれないので、そのぶんたくさんもじをおぼえたいです。]
カカシはそれを見て少し切なくなる。
カカシ(言葉が呪言になってしまうこの子にとって文字だけが唯一誰かを呪わず、コミュニケーションを取れる方法なのだろう)
カカシはにっこり笑って
カカシ「そっか。なら早く文字を覚えて火影様をびっくりさせちゃおう。」
棘「(ブンブン)」
棘はうれしくなってニコニコしながら首を縦に振る。
そして、持ち前の頭の良さであっという間に文字をマスターした棘に、カカシも火影も驚き、そして嬉しい気持ちになった。
そんなある日、カカシがいつものように棘と筆談で話していると、病室に火影以外に珍しく客が来た。
アスマ「よぉ！カカシ最近見なくなったと思って親父に聞いてみたら、こんなとこにいたのか。
お？嬢ちゃんが噂の棘ちゃんか？俺はカカシの同期のアスマって言うんだ！よろしくな！」
そう言いアスマが遠慮なく病室に入ってきた。
カカシはびっくりして
カカシ「アスマ！なんでお前がここにいるんだよ？」
アスマ「だから最近顔見ねーと思って、親父に聞いたら、狗巻家の子の世話してる、良ければその子と喋ってあげてくれって頼まれてな。
それに俺もその子に少し興味があったしな！はっはっは！」
そう言ってアスマは豪快に笑う。
カカシはハァとため息を吐いて棘にアスマを紹介する。
カカシ「あー、棘コイツはアスマって言って、さっき言ったように俺の同期で火影様の息子だよ。うるさいけど悪いやつじゃないから仲良くしてやってちょーだい」
棘はアスマに挨拶しようと紙にペンを走らせた。
棘[狗巻 棘です。8歳です。好きな食べ物はおにぎりです。よろしくお願いします]
アスマ「おぅ！よろしくな！棘」
そう言って棘の頭を撫でた。
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作者名：ウジン | 作成日時：2021年2月27日 15時
