3. ページ30
.
「ヌナ………」
『ごめんね夜中に変な話して…』
話し終えたヌナは「やっぱり思い込みだよね」と下を向く。
「いや………ちょっと待って」
『そんなことで悩んでアホだって思ったでしょ』
「思ってないし、違う……ヌナ、聞いて。それは結構ヤバいかも知れない」
『………どういうこと？』
Aヌナの話を要約すると、こうだ。毎日朝晩必ず来るサセンからのメッセージ。大した内容じゃないけど、まるで部屋の中を見ているかの様にヌナの行動にリンクしたコメントを、タイムリーに送ってくる。しかも重要なのは、ヌナの部屋には窓が無いということ。だからもしかして本当に監視されてるのでは、と思い込んだ。
いや……普通に考えて怖くない？思い込むのも当然だ。だって、窓が無いのに、何で自分の行動が分かるわけ？
そんなの考えられるのはひとつ。
「信じたくないけど……監視カメラが…」
『……付けられてる…？』
「うーん……あり得ないって思うけどさ…」
あり得ない。そんな、どんな人かも分からない誰かに、自分の生活が監視されてるなんて。普通だったら、あるわけがない。そもそも、いつ？どうやって宿舎にそんなものが付けられる？
ただ、ヌナの話を聞く限り……あり得る気がしてきてしまう。
やっぱり、ヌナの部屋に窓が無いってところが大きいんだよなぁ……
『……皆にも相談した方がいいよね』
俺が黙って考えていたら、ヌナがぽつりと呟いた。
隣を見ると、青ざめた顔をしてスマホを見つめているヌナ。取り上げるとそこには、
“もう遅い時間だけど、まだ寝ないの？”
という例のサセンからのメッセージ。
うわ………監視カメラ確定じゃん。
俺はそのまま、そのスマホをベッドに放り投げて、Aヌナを抱き寄せた。
『え、ジェヒョナ』
「いいからいいから」
逃げないように両腕でぎゅーっとホールドすると、途端に身体を強張らせるヌナ。はは、可愛いㅎㅎ
「…ヌナが怖い思いしてたのに、気づけなくてごめん…一緒に住んでるのに…」
『……』
「明日、ヒョン達に話そう。自分から一番最初に聞きたいとか言っておいて情けないけど…俺一人でどうにかできる虫じゃ無さそう」
俺がふざけてる訳じゃないことが分かったのか、ヌナは黙って腕の中にいる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 655人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
き(プロフ) - このシリーズ好きでもう何度か遡って読ませていただいてるんですがコンゴンズ談義の100歳と104歳のくだりが好きすぎて…（ ; ; ） (2021年1月26日 11時) (
レス) id: 7dfbe8fc2e (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - ジンリさん» お久しぶりです！実はバラすか迷ったんですが…ヒョン達が一枚上手だったということで笑 わー！ヌナ好きだと言ってもらえて嬉しいです！いよいよサセン登場します。楽しみにしてて下さい！ (2020年11月22日 23時) (レス) id: 2d7e108bce (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - ジェミンちゃんの野生の勘でどりむちゃん達にバレてしまうのかと思ってしまいました笑ヌナが優しくてかわいくて好きなので無事に早く事が解決しますようにと見守らせながら読ませて頂いてます！ (2020年11月21日 2時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - キョウカさん» 試行錯誤しすぎて更新遅くてすみません（TT）脱線しながらじわじわ参りますので、是非このままお付き合い下さい！笑 (2020年11月19日 12時) (レス) id: 2d7e108bce (このIDを非表示/違反報告)
キョウカ(プロフ) - サセン系ありがとうございます！もうドキドキするけど面白いし読んでて楽しいです(^^)更新楽しみにしてます(o^^o) (2020年11月14日 23時) (レス) id: df38192a2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：madohun | 作成日時：2020年10月20日 21時
