I wanna be a hero.

thirty ページ33

彩ｓｉｄｅ

まふまふさんこと、相川さんと知り合って、１週間が経った。

あれから、私は、お母さんに電話で戻ってこいと怒られ、

相川さんのエールのもと、家に帰った。

本音を言うと、少し驚いた。

何故って、お母さんが私に戻って来い、だなんて。

もしかして、私のこと少しは娘として大切に思ってくれてるのかな、なんて、

あれほど言われてのに、期待してしまった。

でもすぐに、そんな小さな期待は裏切られた。

まあ、予想してたけどね。

私に戻って来いと言ったその理由。

それは、来週末、またお父さんが帰ってくるから。

きっと、前のお休みで、私とお母さんのことが気にかかったんだろう。

相川さんとLINEを交換して、連絡を取り合っている私。

もちろん、そのことを報告した。

そして。

「お母さんとのことを解決できる、チャンスじゃない！？」

と言われ、何度も話し合い、作戦を練った結果、

来週末は、私にとって大きな戦いに出る日になった。

来週末、、、お父さんに全部話すんだ、、、、。

今から緊張で押しつぶされそう。

でも。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿私はもう、独りじゃないから。



正直なところ、とても恐い。

お母さんと同じで、お父さんも私のことが嫌いだったらどうしよう、とか、

話した所為で、離婚とかになっちゃったらどうしよう、とか。

私は、お母さんに愛されていない。

けれど、私は、家族を愛してるし、お母さんのことだって、嫌いにはなれないから。

だから、私の所為で、家族を壊してしまったら、と考えると、

本当に恐いんだ。

それでも、相川さんに助けられ、話すと決めた。

今回のことで、間違いなく、家族の、両親の間に亀裂が入る。

それが解かっている上での挑戦。

最善の解決を目指したい。

それが今、私にできることだから。

あわよくば、お母さんと和解して、歌い手という夢を追いかけて、平和に暮らしたい、なんて、ね。

無理だと解かっていても、

それが、私の願い。

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