検索窓
今日:34 hit、昨日:8 hit、合計:66,635 hit

eightteen ページ20

若武side(中2)

今日は秀明のクラス替えテストの結果発表の日。

俺は今度こそ三谷Cに上がるべく、いつもより勉強量を少し増やした。

でも結果は、危うく、クラス落ちするところだった。

帰ろうとしたとき、上杉が結果を見て固まってるもんだから、

順位かクラスでも落ちたのかと思い、からかいに声をかけた。

「よっ!上杉。どした?クラスでも落ちたか?」

上杉は俺を一睨みすると、張り出された結果の、ある名前を指差した。

「ちげーよ、馬鹿。あれ、見ろよ。」

上杉が指を指した名前は、立花彩。

俺はその結果を見て、目を丸くした。

何故なら、順位は全て15位以内、クラスも三谷Aになっていたからだ。

「まじかよ!アーヤすげぇ!」

俺は自分のことのように嬉しかった。

アーヤは、俺達よりも自分が劣っている、住む世界が違うとコンプレックスを持っている。

でも、俺は、アーヤは頭の回転も早いと思うし、賢い。

ただ、テストとなると、緊張で結果が出せないだけだと思う。

俺はそれを彼女にも分かってほしくて、調査のときとか、つい重要なことや、

無理難題を押し付けてしまうことがある。

「やあ、おふたりさん。」

軽く手を上げて近寄ってきたのは、黒木。その後ろには美門と小塚、七鬼もいる。

「なんで七鬼と美門がいるんだ?」

「ん?今日はクラス替えの結果発表だって聞いたから。
落ちたりでもしてたら、からかってやろうかとね。」

残念ながら、誰も落ちてなかったけど、と美門がボソッと言う。

「俺もそんな感じ。美門に誘われたから。」

ったく、こいつらは。

口を開きかけたが、俺もさっき上杉に同じことをしようとしてたのを思い出し、

誤魔化した。

「なあ、アーヤのクラスが上がったの、祝いに一緒に帰ろうぜ!」

「ああ、アーヤ、三谷Aに上がってたね。」

「俺もいいよ。」

「俺も。」

「姫を夜遅くに、ひとりで帰すわけには行かないからね。」

上杉も無言で頷き、満一致の可決。

俺は大きく頷き、さっそくアーヤを探し始める。

が、探すまでもなく、すぐ近くに帰ろうとしているアーヤを見つけた。

「あ、アーヤ!」

声をかけると、アーヤは何故か体をビクッと揺らす。

そして、ゆっくりと振り向いた。

『みんな、久しぶり。』

俺達は、その笑顔を見て一瞬、動きが止まる。

何故なら、アーヤは俺達に1度も見せたことのない、作り笑顔を貼り付けていたから。

nineteen→←seventeen



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
88人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

MadCat(プロフ) - ききょうさん» ありがとうございます!実はつい最近、再開したばかりでwこれからもがんばります!! (2020年9月10日 20時) (レス) id: 635a11a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ききょう(プロフ) - MadCatさん、初めまして。突然ごめんなさい、ききょうと申します!語彙が繊細でとっても素敵なお話ですね…!とても楽しませて頂いております!笑 長々とすみませんでした…これからも更新頑張ってください!応援してます!!長文失礼しました。 (2020年9月10日 17時) (レス) id: 41db9f3d9e (このIDを非表示/違反報告)
25253 - 更新頑張ってくださいね! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 130d6e5757 (このIDを非表示/違反報告)
MadCat(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!更新ペース、定まりませんが、頑張ります!!! (2019年10月6日 18時) (レス) id: 36fa550942 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - このお話とっても好きです!頑張ってください!!!応援してます! (2019年10月6日 17時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MadCat | 作成日時:2019年9月17日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。