第九百三十六訓 人の気持ちはコロコロ変わりやすい ページ5
Aside
A「っっ!!」
ハッと意識が一気に覚醒し、勢いよく起き上がる。
しかしいきなり動いたせいか、頭がくらりとした。
倒れかけた上半身を、支える手が背中にまわる。
高杉「目が覚めたか」
A「…高杉?何で…ここは…?」
高杉「客室だ」
視界に入ってきたのは、相変わらず癪に触る高杉の顔と見慣れない天井。
ふらつく体を何とか起こし、高杉を見やると眠る前のことを思い出した。
A「あたし…資料室にいて…その後、神威が来てあたしにカフェオレ飲ませて…あ」
あ…あ、の、や、ろ、ォォォォ!!
あのふざけたバカヅラが脳裏に浮かんで、ふつふつと怒りが湧いてくる。
殺したろか。アイツマジで殺したろか。
A「クッソ!!あのすっとこどっこいめ、今度会ったら絶対ぶちのめしてやる!!」
バン!!と怒り任せに布団を叩くが、布団の下にあるのはあたし自身の膝であるため、そのまま拳が膝に入った。
っでぇぇえええ!!あぁもう、自業自得だね!バカ!!
あたしが上半身を起こしているベッドに腰かけた高杉が、煙と共にフッと息を吐いた。
高杉「今度会ったら、ねェ…もしかしたらもう二度と会えないかもしれねえぜ?」
A「えっ?」
もう二度と会えないかもしれない?
何、それ…何で?
A「どういう、こと…?」
高杉「あの男、どうやらアホ提督によほど嫌われていたらしくてなァ。そいつを片付けるために協力したまでだ」
A「!?じゃあ、アイツはもう…」
高杉「言ったろ、二度と会えない
まだ死んでない…
じゃあ、アイツはまだ…
…って、あれ?
何でアイツが死んでないとわかっただけでホッとしてんの、あたし?
神威とは出会ってそこまで経っていないはずなのだし、そもそもあたしアイツ嫌いなはずだし…
そんなにも自分の中で大切な人になっていたのか。
いや…この感情はむしろ…
考え込んでいると、ふと顎を持ち上げられ、あたしの目を高杉が覗き込んできた。
高杉「A…俺の言った事、早速忘れやがったな」
A「え?…あっ」
一瞬首を傾げそうになったが、すぐに思い出した。
神威とは関わるな、と資料室に着いてすぐに言われていた。
っべぇ…完っ全に忘れてた…
冷や汗が頬を伝い、真っ直ぐ見つめてくる右目を直視できない。
ちょっ…コレは冗談抜きでヤバい…!
第九百三十七訓 一度心に決めても大概は忘れてしまうのが定石→←第九百三十五訓 渡る世間は悪党ばかり
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ミサ(プロフ) - Love.percussion.さん» ありがとうございます!本当に長いことお待たせしてしまって申し訳ない限りです…。ていうか、そちらの方が夢主理解してますね?さては理解してますね??笑とにかく自身のチンケな語彙力では表せないほど嬉しくてたまりません。本当にありがとうございます!!! (2020年2月17日 16時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
Love.percussion. - 同じで、もしかしたら金属バットは卒業してたりして…。ミサさんのイラストも素敵なので、イラストもたくさん書いて欲しいです。劇場版の話ももし良かったらぜひ!連載頑張ってください! (2020年2月17日 15時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
Love.percussion. - 思っただけでとても気になります。さらば真選組篇ではヒロインは江戸に残りますかね?ヒロインのことだから「頭領が逃げて楽できるか。」って言うと思います。銀ノ魂篇2年後は銀さんと一緒で何年ぶりの兄妹水入らずだったり、2年後はヒロイン14才、今の神楽ちゃんと (2020年2月17日 15時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
Love.percussion. - 銀狼版「バラガキ篇」や「金魂篇」、「一国傾城篇」、「将軍暗殺篇」や「さらば真選組篇」、「洛陽決戦篇」そして「銀ノ魂篇」とても楽しみです!茂々将軍守って、鬼兵隊と春雨の連合軍と戦ったり、真選組の絆としばしの別れ、攘夷四天王再結成、そして最終章。今、 (2020年2月17日 15時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
Love.percussion. - 最新話読みました!いよいよヒロインと杉浦との戦いが始まりますね。先に行ったヒロインを銀さんや他の獣衆達は知ってますかね?銀魂原作は完結しちゃいましたけど、銀狼シリーズはまだ完結してないのでこれからが楽しみですし、見所がまだまだたくさんありますしね。 (2020年2月17日 14時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2018年9月2日 2時