銀狼【銀魂】21

第九百四十二訓 何だかんだ暴れるのは楽しい ページ11

「何してる、相手は女のガキ一人だぞ！？さっさと…ぶがっ！？」

「ダメだ、止められねえ！！」


当たり前だろ。てめーらみてーな雑魚どもにこのあたしが止められるか。自意識過剰もいい加減にしやがれバーカバーカ。

こちとら格が違うんだよ！！！アハハハハハハ！！

敵を薙ぎ倒し、竜巻のように走り去った先には、大きな部屋が見えた。扉が隔壁に閉ざされて、行き止まりになっているらしい。

あたしは拳を握りしめ、眼前にいた天人ごと壁を殴りつけた。


A「らァァッ！！」


コースクリューブローで、隔壁をぶっ飛ばす。

おかげで隔壁はひしゃげ、諸共殴られた天人はボロボロになっていた。

ウソでしょ、女の子のパンチで壊れるとか脆すぎない？メンテナンスちゃんとしとけよ。

吹っ飛ばした時に落ちてきた瓦礫を踏んで、部屋の中に入る。


A「さて、と…ん？」


そこは集会所か何かのような広場だった。

真ん中には高杉と神威が背中合わせで立っていて、それを取り囲む天人達は二人に無数の銃を向けていた。

何だよ神威(アイツ)生きてたのかよ。
つーかあれ？数分前のあたしとおんなじ状況じゃない？


A「何してんのお前ら」

神威「Aこそ何やってんの？」


素っ頓狂な声が返ってくる。神威が目を丸くしてこちらを見下ろしていた。


A「よぉ。生き残ったみてーだな、神威」

神威「まぁね。Aのお守りのおかげで助かったよ」


ニコッと笑って、神威が右手首に巻かれたあたしの髪紐を見せる。
別にアンタ護るために渡したもんじゃねーけどよ…


阿呆「ぎ、銀狼ォォォ！！」


嘆息してると、今度は高い場所から見下ろしてくるアホ提督の声。
その表情は驚愕と怒りに震えていた。


阿呆「貴様ァ、ワシとの約束を忘れたのか！！ここにいる間は一切暴れんと誓ったではないか！！」

A「それはこっちのセリフ。あんたこそあたしとの約束忘れたの？」


向けられる銃(オモチャ)など、意に介さない。

しっかたないなー、バカのために一から説明してやるか。ヤダあたしったら優しい。


A「確かにあたしは、ここでは一切暴れないと約束した。でもその約束が果たされるのは、あんた達があたしに手を出さなければ、の話だ。アンタの部下が早まったんかどうか知らないけど、あたしは一度、お前らから銃を向けられている。しかも今もな。ここまで言えば、もうわかるだろ？」


金属バットを向けて、ニヤリと笑ってみせた。

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