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○——だって、あの鳥井君だよ？
同学年だけではなく学年全体で噂の的になっているグループの一人である彼がこんな女子の末端に座っているような女に恋愛感情を抱くなんてことはきっとないだろう。女子に対してもフランクに話せる彼の態度からして、おそらくこれまで色んな女子と仲良くなってきたのだろう。
その中に勿論、恋仲になった人物もいて。今現在恋人は——いるのだろうか。確か一年生の時に、周りから可愛いと持て囃された女子に告白されて付き合い始めたと言うのを、何となく風の噂で聞いたような覚えがある。
今もそれが続いているかどうかは知らない。特に興味がないから話題に出すこともなかったし、そんな深い話を聞くのは流石に少し憚られる。
いや、自分よりも情報通である友人がそんな話を出してくるのだから、もしかしたら彼女はいないのかもしれないが。
だとしても、そんな彼の過去を思い出して、改めて彼との関係がこれ以上になることはないとAは思った。
自分はただ最近知り合って、趣味が異様に合う珍しい女子と言うことだから興味が湧いて、今少し熱が入っているだけだろう。いつかはそのほとぼりも冷めて、彼がまた別のものに興味を惹かれるかもしれない。そうすれば彼の友達ではいられるけれど話し掛けてきたり、遊びに誘うことも減るだろう。
そうして自分は彼の数ある友達の一人に落ち着くのだ——。
「そんなの分かんないよ？ だってゾム君、よく同じ友達とつるんでるけどあんまり女子と遊んでるって話は聞かないし、実は自分から女子に話し掛けたりするタイプじゃないらしいしね」
友人のその言葉にAは思わず眉を寄せた。実際彼がどんな感情を抱いているか分からない現状、その先で起こり得る可能性を頭から否定するのはあまりよくないことだろう。それはAも分かっている。
分かっているけれども、そんな風に期待するような言葉は好きではないのだ。期待して、いつかそうなればいいと夢見ても、結局最後には裏切られるのだ。叶わない夢を見るほど辛いものはない。
「だからワンチャン、あるんじゃないかって……」
「やめてよ」
はっきり、凛としたAの声が響いた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
