24：これからいつでも ページ24
○学校のイベントと言えば幾つ挙げられるだろう。体育祭、文化祭、運動部の大会。人によっては、夏休みや冬休みも入るかもしれない。それらは一年に一回しかない貴重なものだ。
それ以外は学校で楽しいことはない？ 後は勉学と部活に励むしかない？ 確かにそうかもしれないが、それ以外で楽しいことがないわけではないだろう。
クラス内の席替え。これもまた生徒達の間では小さなイベントの一つではないだろうか。
自分達のくじ運に任せ、これから数ヶ月間新しい席で新しい周囲環境の中で授業を受けなければならなくなるのだ。だから人によっては楽しみだったり、憂鬱だったりと三者三様の反応を示す。
担任の先生が黒板に席の図面を書いて番号を割り振っている中、教室内は生徒達の話し声で騒ついていた。
「よーし、それじゃ各列一番前からくじを引きに来い」
先生のその言葉を皮切りに生徒達が順番に立ち上がり、教壇に近付いて用意された箱の中から紙切れを引いていく。半分に折り畳まれたそれを開いて、黒板の図面へと顔を上げる。
自分の引いた番号と黒板の番号を照らし合わせしっかりと確認した後、特に反応がないまま自分の席に戻る者、前列を引いたのか明らかに肩を落とす者、友達の所に行って近い席になったのか互いに喜び合う者など。段々と室内の賑わいが大きくなっていった。
そして全員が引き終わるとそれぞれ自分の机を持って移動し始める。
ガタガタと一際やかましい音に包まれながら、ゾムは真ん中の列の一番後ろの席に机を下ろした。はあ面倒だった、椅子に座ってそう一息吐きながら右へ左へとまだ移動しているクラスメイト達の姿を眺める。
ふと前列の方へと視線を向けた時、廊下側の一番前の席に見慣れた青髪が目に入った。こちらを見ていた鬱と目が合った瞬間、彼が思い切り眉尻を下げた情けない顔になった。あまりにもそれが面白すぎてゾムは思わず、くはは、と笑い声を上げた。
日頃の行いが良くないからだ、自業自得。そんな同情心の欠片もない、彼を突き飛ばすようなことを胸の内で呟く。
未だくつくつと肩を震わせるゾムはふと視界の端で自分の方へと近付いてくる人影に気が付いた。鬱からそちらへと視線を移すと、こちらもまた見知った顔が目に入った。瞬間、思わず目を見開く。
その人物もまた彼と同様驚いた表情をその顔に浮かばせていた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
