検索窓
今日:9 hit、昨日:14 hit、合計:140,186 hit

32 ページ33

白布side













宮侑とAが入っていった場所に
後から入って行こうとした。




白布「おい……」




俺が入って行こうとすると、
宮治が俺の肩を掴んだ。




白布「…離せよ。」




治「ちょっと待ってくれん…?」




白布「何で…

…!」




宮治が俺に頭を下げた。




治「頼む…ここでツム…侑に、あいつの本音全部話させてやって欲しい。

そしたら、多分もう後腐れなく終わる。」





白布「……はぁ。」




ドアの陰に隠れて中の様子を伺うと、Aと宮侑が向き合って薄暗い部屋の中で立っていた。




俺と宮治が教室の外にいることには
Aも宮侑も気付いていないようだった。





話し声が聞こえる。





侑「……お前に惚れとった。」





白布「!」





あいつ……。





侑「……なあ、A。今までごめん。


謝っても済まんっていうのは分かっとる。
口先だけやとなんも伝わらんとも思う。


でも、責任持って一生お前のこと大事にするから。

俺に…やり直すチャンスをくれませんか。」






俺は、気付いてしまった。





宮侑がその告白のような言葉を吐いた時





Aの瞳からするりと涙が溢れて




真っ直ぐに、そして期待を込めるように宮侑を見つめていることに。





そして二人の間には





他人には到底立ち入ることのできないような
二人だけの空気感が流れていたことにも。






『今更……そんなの…っ、私がどれだけ傷ついたか…宮君には分かんないでしょ…!!!』





Aが宮の胸をどんどん叩いた。





宮はただ、「ごめん。」と何度も何度も言っていた。





『何で今なの…やっと、前向いて生きていけると思ったのに…馬鹿…最低……』






侑「A…」





宮侑が泣き噦るAの頬に触れた。




Aが涙でいっぱいになった瞳で
まるで宮しか見えてないみたいに
宮を見上げる。





宮はAの涙を指でそっと拭った。





侑「めっちゃ好き…お前の全部。」





『……っ…』





侑「…抱き締めてもええか。」





そういった宮の一つ一つの言動や動作に、Aがいちいち頬を紅く染めて反応している姿を見て





嫉妬でどうにかなりそうだった





駄目だ





そんなの絶対






__止めなければ






33→←31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (205 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
283人がお気に入り
設定タグ:宮侑 , 白布 , 白鳥沢
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

stgy - 終わり方、めっちゃ好きです! 相手のことを想いすぎると、間違った愛になるんやな…と改めて気付かされました…… (2021年6月28日 23時) (レス) id: 05b8f4c815 (このIDを非表示/違反報告)
紗痲(プロフ) - ふ、ふーんそういう、ねぇ?うん、予想はねうんうんしてたしてた。うん、あはは〜 (2020年9月27日 22時) (レス) id: b7f700878d (このIDを非表示/違反報告)
赤ずきん(プロフ) - 佐野濱典中毒さん» ありがとうございます!!!切ない夢主ちゃんとツム…堪能してください! (2020年2月21日 23時) (レス) id: 91687a0e53 (このIDを非表示/違反報告)
佐野濱典中毒(プロフ) - 更新待ってました!ツムと夢主ちゃん切なくて続きが気になります(> <) (2020年2月21日 20時) (レス) id: 40be193d41 (このIDを非表示/違反報告)
赤ずきん(プロフ) - チョコ下さい人間さん» 久々にコメント通知が来ていて、飛び上がりました!!わぁぁありがとうございます((´∀`*))これからも更新頑張ります! (2020年2月14日 19時) (レス) id: 91687a0e53 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤ずきん | 作成日時:2017年1月16日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。