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白布side
・
宮侑とAが入っていった場所に
後から入って行こうとした。
白布「おい……」
俺が入って行こうとすると、
宮治が俺の肩を掴んだ。
白布「…離せよ。」
治「ちょっと待ってくれん…?」
白布「何で…
…!」
宮治が俺に頭を下げた。
治「頼む…ここでツム…侑に、あいつの本音全部話させてやって欲しい。
そしたら、多分もう後腐れなく終わる。」
白布「……はぁ。」
ドアの陰に隠れて中の様子を伺うと、Aと宮侑が向き合って薄暗い部屋の中で立っていた。
俺と宮治が教室の外にいることには
Aも宮侑も気付いていないようだった。
話し声が聞こえる。
侑「……お前に惚れとった。」
白布「!」
あいつ……。
侑「……なあ、A。今までごめん。
謝っても済まんっていうのは分かっとる。
口先だけやとなんも伝わらんとも思う。
でも、責任持って一生お前のこと大事にするから。
俺に…やり直すチャンスをくれませんか。」
俺は、気付いてしまった。
宮侑がその告白のような言葉を吐いた時
Aの瞳からするりと涙が溢れて
真っ直ぐに、そして期待を込めるように宮侑を見つめていることに。
そして二人の間には
他人には到底立ち入ることのできないような
二人だけの空気感が流れていたことにも。
『今更……そんなの…っ、私がどれだけ傷ついたか…宮君には分かんないでしょ…!!!』
Aが宮の胸をどんどん叩いた。
宮はただ、「ごめん。」と何度も何度も言っていた。
『何で今なの…やっと、前向いて生きていけると思ったのに…馬鹿…最低……』
侑「A…」
宮侑が泣き噦るAの頬に触れた。
Aが涙でいっぱいになった瞳で
まるで宮しか見えてないみたいに
宮を見上げる。
宮はAの涙を指でそっと拭った。
侑「めっちゃ好き…お前の全部。」
『……っ…』
侑「…抱き締めてもええか。」
そういった宮の一つ一つの言動や動作に、Aがいちいち頬を紅く染めて反応している姿を見て
嫉妬でどうにかなりそうだった
駄目だ
そんなの絶対
__止めなければ
・
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stgy - 終わり方、めっちゃ好きです! 相手のことを想いすぎると、間違った愛になるんやな…と改めて気付かされました…… (2021年6月28日 23時) (レス) id: 05b8f4c815 (このIDを非表示/違反報告)
紗痲(プロフ) - ふ、ふーんそういう、ねぇ?うん、予想はねうんうんしてたしてた。うん、あはは〜 (2020年9月27日 22時) (レス) id: b7f700878d (このIDを非表示/違反報告)
赤ずきん(プロフ) - 佐野濱典中毒さん» ありがとうございます!!!切ない夢主ちゃんとツム…堪能してください! (2020年2月21日 23時) (レス) id: 91687a0e53 (このIDを非表示/違反報告)
佐野濱典中毒(プロフ) - 更新待ってました!ツムと夢主ちゃん切なくて続きが気になります(> <) (2020年2月21日 20時) (レス) id: 40be193d41 (このIDを非表示/違反報告)
赤ずきん(プロフ) - チョコ下さい人間さん» 久々にコメント通知が来ていて、飛び上がりました!!わぁぁありがとうございます((´∀`*))これからも更新頑張ります! (2020年2月14日 19時) (レス) id: 91687a0e53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤ずきん | 作成日時:2017年1月16日 1時