たとえ卑怯者だとしても【宮侑 白布賢二郎】

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侑side





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俺がAに執着するようになったきっかけは





あいつが治にベタ惚れやったから。





今まで付き合った女は、皆んな俺の外見とか全国No.1セッターだとか





そんな上部だけのモンに惚れとったのがバレバレやった。





けどAは違う






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・









＿＿3年前







・








治「ただいま。」





侑「治〜！お前どこほっつき歩いてたん！？

って…何やそのマフラー。」






治「…女子からもろた。」





侑「は？女からもろたもんお前が付けとんの、初めて見たわ。どんな子？」





治「…侑には関係あらへん。」






何や…ツレへん奴。





侑「…！」





治が愛しそうな顔しとる…。





これは本命やな…。






・





次の日、治が女と歩いとるところを学校で見かけて直ぐにマフラーの女やって確信した。





それがAやった。





侑「その子やろ〜マフラーくれた子。」





治「！」





彼女と歩いとる時、突然声かけられた治は無駄に驚いてむっちゃ嫌そうな顔しとったわ。






侑「へぇ〜可愛いやん。でも見かけへん顔やな。
君、名前は？」






その小柄で色白な女は、治の後ろに隠れて俺を警戒した。






侑「ん？
治と俺、同じ顔やのに何で怖がるん？」






治「この子関東から引っ越して来てまだクラスに馴染めへんのや…ちょっかい出さんといて。」






『ごめんなさい…関西弁、まだ慣れなくて…。』






侑「(だから…何で治はエエねん。)」






俺はその日から、Aの事ばっか考えるようになった。





何で治やないとあかんのか、訳わからん…。





いつでも治の後ろをちょこちょこ着いて歩いてたAは、結局友達なんて一人も出来へんかった。





寧ろ女子からは疎ましがられとった。





俺は…Aに治やなくて俺の後ろ歩いて欲しい。






そう思うようになった。






終いにはAの事欲しなって






無茶苦茶に抱きたくなって






力付くで奪う事しか考えられへんかった。






…ただ、後悔はしてへん。






力付くでも俺のもんになればええんや。





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