恋 ページ16
Aside
・
数日後の午後。
私は信君の家に行った。
会いたかった。ただ、それだけ。
玄関を開けると、信君は私を見て微笑んだ。
靴を脱ぎ、玄関に上がって信君の後について行く。
幸いなことに…と言っていいのか
私と賢ちゃんの暮らすマンションは、大学からは離れている。だからこうして信君の家に寄ってもバレることはまずない。
ただ…これじゃ正真正銘浮気で、誰にとっても最悪な状況だ。
今後、どうして行くのか選ばないと。
北「A、こっち来て一緒に映画見いひん？」
『……。』
信君は何ごともなかったかのように
ソファーに腰掛け笑顔でそういう。
私は荷物を置いて、信君の隣に座った。
この間のこと、何にも言わないの？
もう…あれきり？
聞きたいことが山程ある。
北「どないした…？」
私がムッとして黙っていると、すぐに何か察したらしい信君は、リモコンを机の上に置いて私を見つめた。
北「俺は、Aが好きやで。」
『…っ！』
北「けど、Aはその彼氏と別れたないんやろ。
俺の気持ち押し付けるのは、嫌やと思ってん。」
それを聞いて、胸が締め付けられた。
『分かんないよ…』
北「……。」
『あの後、ずっと信君の事考えてた…。
彼氏がいるし…もう、来ない方が良いって思ったよ。
けど、今日も会いたくてしょうがなかったの。
抑えられなかった。』
視線が絡む。
信君が私の頬にそっと触れた。
目を閉じると、唇が一瞬重なりすぐに離れる。
心臓が煩い。
もっと…したい。
北「それは…もう俺のこと好きやって、認識してもええんか？」
『……っ、分かんない。でも、信君と一緒にいたいの。今日だって帰りたくな…』
信君に抱き締められる。
北「…A、もうほんまに俺んとこ戻ってき。」
『信君…っ…』
好きにならないようにしよう。
会わないようにしよう。
そんな努力してる時点で、多分私は信君が好きなんだ。
『……っ、戻りたい。信君といたい。』
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Sally - すき (2022年9月29日 4時) (
レス) @page26 id: f661e07910 (このIDを非表示/違反報告)
stgy - 『信…くん……』 終わり 私:グハッt (2021年6月28日 21時) (レス) id: 05b8f4c815 (このIDを非表示/違反報告)
餅 - 赤ずきんさんの、小説一番好きです！応援してます！ (2020年12月7日 22時) (レス) id: 1246f5d2cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤ずきん | 作成日時：2020年8月9日 0時
